第３０話 ページ33
『そう言えばさ、虎杖は宿儺と何か約束事とかした？』
虎杖「え？あー、よく覚えてないんだよなー」
『そっか……』
第１試合開始直前。
俺は隣を歩く虎杖に話しかける。
今のを聞く限り、多分約束事を忘れることも縛りの中に組み込まれてるな？
まあ良い。
出て来たらその時だ。
俺だって強くなった。
今度会ったら証明してやる。
真希「おいお前ら！行くぞ！」
『あーい』
俺達は横並びになって目の前の門へと向かう。
反対側には京都校の奴らが待機中。
これは負けられない戦いかな。
『ま、全力で楽しもうぜ！』
虎杖「おう！……俺はもう、誰にも負けない！」
２人で揃って掛け声をかける。
次の瞬間には虎杖が真希さんに蹴り飛ばされていた。
真希「お前がしめんじゃねぇ！」
別にしめてねぇだろ。
逆に締められてるじゃん。
『はーい、さっさと行こうねー』
俺は勝手に森の中に入った。
でも森って思ってるよりずっとジメジメしてるんだな。
最近都会ばっかで忘れてた。
あ、そうでもないか。
この森がそうってだけか。
嫌な森。
この森には低級呪霊と２級呪霊が放たれている。
その２級呪霊を先に祓うか、相手より多く低級呪霊を祓うと勝ちが確定する。
だったらさっさと２級を祓ったら楽だな。
五条〈それでは、歌姫先生からの激励の言葉を……〉
歌姫〈えっ！？その、えーっと……〉
『……この茶番何？』
真希「さっきのよりマシだろ」
辛辣。
五条〈えー、それでは１回戦、スタート！〉
その言葉を合図に周りにいた全員が走り出す。
虎杖「えっ！？A！？」
『体力無駄にしたくないから先行くね。呪血・逐電』
真希「何だ、あの技！？」
伏黒「そういう奴です。ほっときましょう」
───────────────────────
アｧｧｧｧｧｧｯ
『はい、１体終了』
残りは９体。
正確には１０体。
どうせ皆相手校の人間狙いだろ？
俺の呪血は対人間用じゃないからそう言うのはやらないほうがいい。
だって唯一のルールに違反しちゃうし。
五条先生それをわかってたのかな……
『……雑魚片付けるくらいなら仕事行くんだった』
カアッ カアッ
俺の頭上を烏が舞う。
何だ？
アァッ カアッ
『……何かの暗号とか……？』
烏は鳥類の中でも随一の知能を持つ。
カアッ カアッ
『うーん……わからん！でも、一応皆の所に行ってみようか』
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作者名：亜叶緒夜鳴 | 作成日時：2024年3月16日 22時
