第2話 ページ4
『つ、疲れた……』
流石都会。
呪霊が多すぎる。
しかもそれなりに強い。
知能を持っている奴もいた。
次から次へと襲いかかってくる呪霊をいちいち殴るのが鬱陶しくて、途中から呪血を使いまくった。
そしたら案の定貧血だ。
ギャアァァァッ
『っ、量、多いって!』
ブシャァァァァ
呪血は自分の血を媒介にした能力。
だから使いすぎるとヤバイ。
『あ、でもこんだけいるんだから呪力吸いまくればいいじゃん!』
俺はすぐさま呪霊を倒しつつ、ついでにその呪力を吸い取るという省エネモードに移行する。
『ま、呪霊に絡まれんのも俺のせいだし、仕方ないか!』
この呪霊は特級呪物である宿儺の指に吸い寄せられたもの。
だからいくら文句を言っても俺が宿儺の指を持っていることが悪い。
自業自得。
『てか、マジでどこ?』
俺、原宿に呼ばれたよね?
で、約束通り朝一でついたよね?
え、これ俺が悪いの?
なんかハブられてる?
脳裏に五条悟のふざけた笑い声が浮かぶ。
──Aが来る予定だったけど〜、いっか!
クレープでも食べとこ〜っと!──
『約束を守れ!五条悟ー!』
???「ん?呼んだ?」
『は』
勢い良く振り向くと、そこには俺をここに呼んだ張本人、五条悟が浮いていた。
五条「いや〜、駅前にいないから探したよ」
『俺は約束通りに行きましたけど!?』
五条「えー?普通待っとくでしょ」
何でこの人は自分が普通ですって顔をしているんだろう。
なんかイラッときた。
『後で1回殴って良いですか?』
五条「えー、何で恵もAも冷たいの?僕なにかした?」
『そういうところですよ』
ヘラヘラ笑う五条悟。
俺はそれに一度ため息をついて話を本題に移した。
『で、何で呪術高専?俺、別に入学しなくても良いんだけど?』
五条「青春大事だよ〜?一生に一度しかないからさ!あと、今年の1年生3人しかいないんだよね」
『3人!?呪術師ってマジで人手不足じゃん。てか、俺は数合わせ?』
五条「そんなことないよ〜。Aも僕のかわいい生徒だからね」
『いやー、今の言葉そっくりそのまま昔の貴方に聞かせたいよ』
五条「ハハハッ!」
快活に笑っているが、この男、昔は物凄くガラが悪かった。
一人称は俺。
年上の敬語とか年下への配慮とか一切なし。
ま、それは今も一緒だけど……
何より口が悪い!
すぐにキレる!
これ以上は長くなりそうだ。
『で?これからどうすんの?』
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作者名:亜叶緒夜鳴 | 作成日時:2024年3月16日 22時