第26話 ページ29
『うんぅぅぅ……』
目を覚ますとまた実験室だった。
医務室連れていけよ。
五条「おはよう、A」
『……ん、おはよう』
どうやら五条先生は怒ってないみたいだ。
良かったぁ……
五条「Aが5日間も寝てるから怒る気失せちゃった」
『それなら良かった……って、5日も寝てたの!?』
五条「そうだよ」
嘘だ……
だって零の生得領域では体感で15分くらいしか過ぎてなかった。
15分が5日?
1日3分じゃん。
それならいつまで経っても零が子どもっぽいことにも納得が行くけど……
時差ありすぎ。
時差ボケしそう。
『で、まさか俺をずっと見てたわけじゃないんだろ?』
五条「うん。聞きたいことは色々あるけど……」
あるけど……?
五条「……まあ、Aが言いたくなったらで良いよ」
『……良いの?それで』
五条「うん。Aが話したくなったらで良い。でも、全部抱え込むんじゃなくて無理せず話してよ」
『……先生みたいだね』
五条「先生なんだって」
『先生ならちゃんと医務室連れてってよ』
その言葉を合図に俺と五条先生は腹を抱えて笑いだした。
『ハハハッ!……あ、そうだ!交流会って何?京都校の東堂?って奴が言ってたんだけど……』
五条「あ、それね。Aには言うの忘れてた。そのままの意味だよ。京都校との交流会。と言う名目のバトル」
そのままの意味とは?
今バトルって言ったよな?
まあ確かに東堂とやり合うならバトルだ。
五条「1日目は団体戦、2日目は個人戦って言うのが例年の決まりかな。殺す以外は何やってもOKだから、楽しいと思うよ」
『ふーん……乙骨くん来るの?』
五条「あー、憂太は来ないかな」
『じゃあ御三家の……うーんと……』
五条「加茂?赤血操術使うやつ」
『そう、それ!』
五条「来るよ。京都校に通ってる子」
『じゃあ楽しみ。俺も同じ能力の奴とやり合いたかったんだよね。俺、かなり強くなったから』
俺は挑発的な目で五条先生を見る。
五条「へぇ、なら久しぶりに稽古つけてあげようか?」
『良いの!?』
五条「もちろん」
『実は試したいことがあるんだよね。相手の領域を打ち消す技を思いついたんだけど……』
俺と五条先生はそう言いながら実験室を出た。
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作者名:亜叶緒夜鳴 | 作成日時:2024年3月16日 22時