第24話 ページ27
俺は呪血を解除して東堂から距離を取る。
『……手、焦げてるぞ』
東堂「ふん、悪くないな」
今まで誰にも見せたことのない奥義を初見で止めるなんて……
『化け物かよ』
東堂「さあ、次はどう来る?」
うわー、正直辞めたい。
誰かに止めてほしいけど周りは誰も動いてくれそうに無いし……
その時、
プルルルルッ
はい、ナイスタイミングー!
俺はすぐさまポケットからスマホを取り出した。
横目で東堂を見ると、律儀に待ってくれているみたいだった。
『もしもーし』
五条〈あ、Aー?今どこー?〉
『……こちらの電話は現在電源が切れているか……』
五条〈おい、ふざけんなよ〉
『はい、すみません。何でしょうか』
五条〈ちょっと相談があるからさ、帰ってきて♡〉
『あ、はい。わかりました。すぐ行きます』
俺は電話を切った。
『ごめん、五条先生に呼ばれてるから』
東堂「……なら仕方無いな。お前、1年だろ?今度の交流会、楽しみにしてるぞ」
『呪血・逐電……え、交流会って何?』
───────────────────────
答えを聞く前に俺は五条先生の背中から顔を出していた。
五条「もー!そこから顔を出すなっていつも言ってるでしょ!」
『だってここじゃないと五条先生の場所わからないじゃん』
俺は近くにあった椅子に腰掛ける。
『で、相談って?』
五条「うん……この前さぁ、襲われたんだよね、特級呪霊に。何か火山頭の奴。でさ、ソイツが面白いこと言ってたんだよ。仲間の1人が呪力を持ってないのに変な呪いを使う男と闘って祓われかけたって言ってたんだって」
『……ふ〜ん』
五条「それってさぁ……Aだよね?」
『……はぁ?何で?』
五条「だってそんなこと出来るのAだけじゃん」
五条先生の言葉に怒気が交じる。
五条「……A、僕に何か隠してるでしょ。それも沢山」
俺は五条先生を真っ直ぐ見つめる。
まあ確かに、隠してること沢山あるけど……
『……さあ、何が何だか……』
ドクンッ
『ぐっ!?』
心臓が大きく脈動する。
俺は思わず心臓を抑えてしゃがみ込んだ。
五条「A!?おい、しっかりしろ!」
『がはっ!』
口から紫色の血が流れる。
は?
紫色の血?
何で?
耳鳴りが酷い。
五条先生の声が聞こえない。
──バレちゃう!バレちゃうヨー!──
『も、お前、ちょっと……黙って、ろ……』
俺の意識はそこで途切れた。
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作者名:亜叶緒夜鳴 | 作成日時:2024年3月16日 22時