第23話 ページ26
『俺の答えは不正解?』
東堂「伏黒の答えもそうだ。つまらん」
『うーん、俺自分さえ楽しければ良いから、周りを楽しませるのは苦手なんだよね……』
ゴォォォォッ
俺の言葉を遮るように拳が飛んでくる。
てか音が人間業じゃないだろ!
『うわっ!?』
次々と襲いかかる東堂の拳。
それを避けるのに手一杯で足元の確認を怠った。
コンクリートの溝に足が引っかかる。
伏黒「おい、前!」
釘崎「A!」
目の前に迫る東堂の拳。
これは当たる……!
『……なーんてね。呪血・鳥籠!』
俺は自分の目の前に鳥籠を生成し、バックステップで軽々とかわす。
一方東堂は勢い余って拳を鳥籠に突っ込む。
そのまま俺の血で出来た鳥籠をぶち破った。
『……嘘だろ?』
対呪霊用の技だぞ!?
東堂「考え事をしている余裕なんてあるのか?」
真横から東堂の蹴りが炸裂。
反射的に左腕をガードに使うが、威力が半端ない。
ミチミチッ
腕がめっちゃミチミチ言ってる!
東堂「ほう……俺の蹴りを受けるか」
『あーもう!どうなっても知らねーからな!』
俺は腰のポシェットから折れた刀を取り出した。
『呪血・剛剣』
ブンッ
速い!?
一撃の威力が重いのに身軽なんて……
絶対人間じゃないだろ。
でも全く当たらないわけじゃ無いようだ。
その証拠に東堂の頬に切り傷があった。
この感覚だと東堂は肉弾戦派で呪力は殆どない。
変な技が使えないってこと。
俺は剛剣を握りしめて東堂の懐に入り込んだ。
ビュンッ ゴウンッ
俺と東堂の間で嵐が巻き起こる。
『……呪血・豪力』
身体中の血液を回してパワーを上げる。
一撃を強く、速く。
東堂「呪力は無いようだが、何か小細工を使ってるな?だがそれもいつまでもつか……」
余裕かよ。
だったらもっとスピードを上げて……
俺の刀が熱を帯びる。
東堂「っ……何だ……?」
東堂の蹴りを身体を思い切り低くしてかわし、剛剣を振りかぶった。
『剛剣奥義・獄炎!』
ゴオォォォォッ
振り下ろした剛剣が赤色の炎を帯びる。
バチィンッ
『……マジかよ』
剛剣奥義・獄炎は血液にかかっている呪いの力を最大限まで応用したもの。
俺は術式が使えないが、呪いは感情の起伏でいくらでも強くなれる。
これは燃え上がるような怒りを炎のイメージに落として具現化したもの。
この新技まで止めるとは……
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作者名:亜叶緒夜鳴 | 作成日時:2024年3月16日 22時