第22話 ページ25
『しんど』
五条先生の説教は3時間近く続いた。
呪霊と闘うより疲れた……
こんな時は炭酸飲料でも飲んでスッキリしたい。
『えっと……自販機の前は……呪血・逐電』
ポタタッ
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目を閉じて、もう1度開くと目の前には自販機が。
『よし!流石俺』
とりあえずコーラでも飲むか。
俺は自販機に入れるためのお金を取り出す。
???「……おいお前。今どこから出て来た?」
『どこって地面か、ら……』
答えながら振り向いて、思わず口を噤む。
そこには変な髪型のムキムキマッチョが立っていた。
え、コイツ何?
人間?
人間にこんな筋肉つくの?
???「妙な気配ね」
その向こうにショートヘアの女の人が立っている。
反対側を見ると、伏黒と釘崎が構えていた。
しかし、俺を見て少なからず驚いている。
『何か邪魔しちゃった?』
危ない空気が漂っている……
おっと……修羅場だったか?
???「お前、名前は?」
『……人に聞く前に自分の名前名乗れよ』
常識だぞー。
???「そうか……俺は東堂葵!京都校の3年生だ!」
東堂?
どっかで聞いたことがあるような……
東堂「で、お前の名前は?」
『ああ、俺はA。よろしく』
東堂「そうか。A……どんな女が好みだ?」
『は?』
何言ってんだコイツ?
釘崎「A!適当な模範解答は求めてないみたいよ!」
後ろで釘崎が伏黒を指差す。
東堂「性癖には相手の全てが出る。だから俺は……」
東堂が何か言ってるけど、ちょっと考えさせてもらおう。
好きなタイプねー。
生まれてこの方、好きになった人とかいないしな……
模範解答的に言うと心が優しい人とか笑顔が可愛い人とかだろうけど……
それもだめかぁ……
東堂「で!お前はどんな女が好みだ?もちろん男でも良いぞ」
『うーん……あんまり女の子に興味は無いんだけど……強いて言うなら……』
東堂「強いて言うなら!」
『……俺、自分より強い女じゃないと一緒にいて退屈かな。うん、隣りにいて楽しめることが好きな女の条件として認められるなら、自分よりずっと強い女が良い』
しばらくの沈黙。
結構良い答えでしょ。
釘崎「結局自分が楽しみたいだけじゃない!」
『えー?彼女とかってさ、自分が楽しいから作るんでしょ?だったら俺の答えは理にかなってる!?』
ブォンッ
間一髪で東堂の拳をかわす。
東堂「……やはりお前もつまらん」
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作者名:亜叶緒夜鳴 | 作成日時:2024年3月16日 22時