第18話 ページ21
プルルルルッ
『はい、A』
五条〈もしもし?A?〉
『そっちもう起きた?』
五条〈Aの予想通り、生き返ったよ〉
『そっか。なら良かっ、た!』
今足を掬われるとこだった……
俺はスマホを肩と顔の間に挟んで山の斜面を滑り降りる。
五条〈でさー、ちょっと仕事の話があって……〉
『仕事!?今!?』
今ちょっと無理かもしれない。
五条〈そう、日本アルプスってあるじゃん?〉
お、それここじゃん。
五条〈そこに未登録の特級呪霊らしきものが現れてさー。ほら、悠仁の事もあったじゃん?だから早く祓ってほしくて……〉
俺は斜面を滑り終え、木の上に飛び移った。
ゴシャァァァァッ
俺が滑ってた辺りを同じように大型の呪霊が滑り降りてくる。
てか、五条先生が言ってる特級呪霊って……
『あー、俺、今ソイツと闘ってるっぽい』
五条〈え?マジで?てか日本アルプスまで行ってるの?〉
『うん。何なら特級呪霊出したの俺だわ』
五条〈はー!?〉
──────────1時間前─────────
『お、アイツとか良さげじゃね?』
ノロ丿ロノロノロノロ丿ロ
目の前に岩に座り込んだ呪霊。
見た目は一本ダタラのように片足立ちだ。
何か顔笑ってるけど……
てか、ノロノロって何?
『もしもーし』
ノロノロノロノロノロノロ
『あー……お腹、空いてる?』
俺はそれの目の前に宿儺の指を差し出した。
『え、宿儺の指に反応無し?』
ノロノロノロノロノロノロ
『ま、いいや。俺、今すぐ闘ってくれる相手が必要だから、はい、あーん』
俺はニコニコ笑ってるその呪霊の口に指を突っ込んだ。
ノッノッノッノッノッ
『お?』
ノッロウノロウノロウノロウッ
───────────────────────
『いやー、ノロノロって呪うって意味だったなんてなー。五条先生知ってたー?』
五条〈いや、何それ。それよりも……〉
ノロノロノロノロノロノロノロノロノロッ!!!
『うわっ、ノロノロうるせー!通話中!』
てかノロノロに戻ってるし!
ま、たっぷり鍛えた成果、ここで見せますか!
俺は自分の指をそこらへんの木の枝に引っ掛ける。
零れ落ちた血にも呪いはかかっている。
あとは意識の問題だ。
零れ落ちた血の1滴1滴まで意識を集中させろ。
もっと、濃く!
『……呪血・鳥籠!』
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作者名:亜叶緒夜鳴 | 作成日時:2024年3月16日 22時