第１３話 ページ16
『あー、腕、治ったー！』
服は治らなかったけど。
制服、かなり気に入ってたんだけどなぁ……
???「反転術式まで使えんのかよ……」
『いや？今回初めて』
そう言いながら少し前の五条先生との会話を思い出す。
──────────３日前──────────
『ねぇ、約束のアレ、教えて』
五条「アレ？」
『反転術式！』
五条「あぁ！そうそう！」
五条先生が数分考えて出した答え。
それは──
五条「ひゅーっとやってひょいっだよ。ひゅーひょいっ！」
『はぁ？』
─────────回想・終──────────
『改めて思い出すと腹立つんだけど』
何だよあの適当な教え方は。
帰ったら１発殴ろう。
うん、そうしよう。
『で、俺、今すぐ帰りたくなったから、見逃してあげても良いよ？』
???「は？絶対殺す」
『……可哀想に。今が最後のチャンスだったのに』
呪霊がこちらに向かって駆けてくる。
俺はすぐに朱雀を解除した。
『呪血……』
両腕に切れ目が入り、血が滴り落ちる。
同時に呪霊が間合いに入った。
さっきも言ったけど、呪血には様々な型がある。
その中で、最も適応しにくい、かつ時間が必要なのが今から出す技。
『……天誅』
ゴシャァァァァッ
一瞬にして呪霊の姿が遠ざかる。
呪霊は突き当りの壁まで吹っ飛び、更に壁にヒビを入れた。
腰から下は消えている。
『……へぇ、天誅でここまで残るんだ』
俺は自身の腰から上を指差した。
『ってことは、まだ完全な呪霊じゃないってことだよな』
???「ぐ、何を……」
呪霊が怨めしそうに俺を睨みつけた。
『ん？強いて言うなら天誅さ。てんちゅー。己の罪を償えってね』
???「……」
呪霊は何も言わない。
諦めたか……
ならこっちは都合がいい。
『安心しろ。痛みはない。呪血・剛剣』
俺はもう１度血の刃を生み出す。
???「……クククッ……」
『あ？』
???「アハハッ！ハハハハハッ！」
呪霊が高笑いを始める。
何だ？
気でも狂ったか？
それとも、まだ何か策が？
俺はすぐさま構え直す。
???「アハッ、アハッ、ヒーッ！ごめんごめん！フフフッ、面白くてさぁ！」
『……何がだ』
???「ハハハッ！……ふう、だって面白い以外の何でも無くない？」
何だ、コイツ？
この呪霊、何で笑っていられる？
???「ねぇ、何でオマエはそっち側にいるの？
──同類のくせに」
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作者名：亜叶緒夜鳴 | 作成日時：2024年3月16日 22時
