紅の呪い【呪術廻戦】 (ページ14)

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第１１話ページ14

キィンッザシュッ

???「チッ……！」

『形勢逆転だな』

呪霊目掛けて素早く刃を振るう。

呪霊は驚異の身体能力でそれをかわしていくが、時折かすることもあった。

かすってるなら勝算あるな。

　ザシュッブシャッ

そろそろ吸い始めても良いかな……

相手は何もしてこないし。

俺は今まで以上に腕に力を込める。

そして力強く踏み込む。

　ダンッ

???「！？」

血の刃を下に向け、呪霊の真上から肩に向かって勢い良く突き刺す。

　ブシュッ

???「ガフッ！？」

剛剣は呪霊の肩に深く突き刺さった。

それと同時に刃に紫色の光が灯る。

そして呪霊が膝から崩れ落ちた。

???「な、何で魂の形に……！？いや、力が……」

チッ、気づかれたか。

俺は剛剣を動かして肩から下へ斬りつけた。

紫色の鮮血が舞う。

一方呪霊は何が起こったか全く理解できていないみたいだ。

『クソまずいな、呪霊は。腐った味がする』

ま、それでも強くなれるならお得だよな。

???「何なの？オマエこそ気持ち悪いよ。さっきから魂の形に触れたり、呪力を吸ったり……」

『それ、悪口？腹立つんだけど』

???「うるさいなぁ！オマエが俺に攻撃を与えられるわけないんだよ！だってオマエ、呪力ねーじゃん！」

『はいはい、怒るなよ。別に普通だろ。逆に呪力を持ってる奴のほうが少ない』

???「チッ……」

『……発想が幼稚だなぁ』

俺はさっき奪ったばかりの呪力を両手に込める。

軽くファイティングポーズを取って、一気に駆け出した。

???「っ！？このっ！」

突き出された拳をかわし、姿勢を低くして相手の懐に入り込む。

『……黒閃！』

俺の拳が黒い光をともして呪霊に命中する。

???「ガアッ！」

よし、頭を取った！

これで祓える！

その時、力が抜けきっているはずの呪霊の腕が俺に触れた。

???「っ……無為転変」

　ビビビッ

『なっ！？』

一瞬、身体に電撃みたいなものが流れる。

今、何が起きた！？

とりあえず、このまま触られてるのはまずい……！

俺は急いで距離を取る。

???「あ〜あ、後少しで完全に変えられたのに」

呪霊が俺の左側を指差す。

それにつられて俺が目線を落とすと……

『！？』

腕が気持ち悪いくらい捻じれあがっていた。

　ミチミチッ

『ぐっ……』

視覚的にその変化を実感してやっと痛みが襲ってくる。

『……呪血・紬糸』

俺は自分の左腕を切り落とした。