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心の叫び ページ3









「最愛の人も、数少ない心を許せる友人達も、

皆戦いで死んでしまった」




杏寿郎、小芭内、蜜璃ちゃんやしのぶちゃん。


無惨を倒したという朗報と同時に、私の元へは友人たちの訃報も訪れた。









「…何より、私には泣く資格なんてない」



みんなが命を懸けて戦ったというのに、私は鬼の絶滅よりも、友人たちが生き残ってくれた方が良かったと、いつも心のどこかで思ってしまう。







「みんなが、命を懸けてまで守ったものなのに

なんて最低な人間なのかしら」


「…」



宇髄さんだから話しやすいのか、初めて口に出す汚い本心に、今まで我慢できていたはずの涙は簡単に流れ出す。


元々彼の前では泣き虫だった私は、決壊した涙腺に隠してきた色々な感情が溢れ出し、悔しくて唇を噛み締めた。









「…残された側の気持ちなんて、皆そんなもんだ」



そう私の頭を自分の方へ引き寄せる宇髄さんに、私は抵抗することなく寄りかかる。






「…っ、」



宇髄さんだって、手と目を片方ずつ失っているというのに。


私は本当に最低なことを言っているのに。









そんな宇髄さんの優しさに触れると、自己嫌悪に陥り、余計自分が惨めになって、私は本当に駄目な人間だと思い知らされる。









胸が苦しい。




頭が痛い。




肺が潰れてしまいそう。







目の前が暗闇で包まれていくのを感じて、宇髄さんの少し焦ったような声が遠のく。









そんな緊迫した空気の中。



私の頭に、そっと小さな手が載せられた。









「ははうえ、いいこ」



ふと顔をあげれば、目の前に広がる黒髪。


須磨さんに抱っこされた桜寿郎が、私に一生懸命手を伸ばす。









「ははうえ、いいこいいこ」


「おー桜寿郎、もっとやってやれ」



そう楽しそうに笑う宇髄さんは、桜寿郎と一緒になって私の頭を雑に撫でる。








「えー!天元様ずるい!

私もAちゃんのこといい子いい子したい!」



そう2人に便乗する形で私に抱きつく須磨さんと、それを見てにっこりしながら私の手を握る雛鶴さんとまきをさん。








「…っ」





あぁ、私はなんて恵まれた人間なのだろうか。









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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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- 涙止まらん。最高です (8月18日 23時) (レス) @page6 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 初めてのコメント失礼します!メチャ号泣しました! ほんとに感動しました! (2022年3月29日 17時) (レス) @page33 id: 70da419123 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - つんつくさん» お返事遅くなってしまって申し訳ありません。暖かいコメントありがとうございます!手紙の内容については煉獄さんの性格などを色々悩んで書いたところなので、そう言っていただけるととても嬉しいです。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - みっちゃんさん» 2度も素敵なコメントありがとうございます!嬉しいコメントばかりで、物語を書くにあたって凄く励みになりました!お返事遅くなってしまって申し訳ありませんが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
つんつく(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この度は完結おめでとうございます。作品のファンになりずっと楽しみに読ませていただいてました。煉獄さんの手紙にはいつもいつも泣かされました素敵すぎです。美しくとっても素敵な作品をありがとうございました。 (2021年2月4日 15時) (レス) id: 60af00218e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年11月21日 1時

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