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洞見 ページ2









「…A、

お前が寂しいなら

俺はいつでも嫁に迎える準備はできてるぞ」


「ふふっ相変わらずのようですね」


「…冗談じゃねぇんだけど」



昔、杏寿郎から聞いた話によれば、宇髄さんは忍びの家系の方らしく、伝統により3人の妻を娶るらしく、女性の扱いが上手いため、杏寿郎は私に何度も気をつけるよう忠告した。







「煉獄には悪いが、

Aが寂しがるよりはいいだろ」



そう空に語りかける宇髄さんに、私はまた笑いを零しながら、小さく首を横に振る。









「思ったより、寂しくなんてないのよ



私には千寿郎も槇寿郎さんもいるし、

今は桜寿郎だって毎日一緒に居てくれるもの」



「…」



案外私は嘘が上手いらしく、スラスラと思ってもみない言葉を発した後、そうにっこり笑いかけると、宇髄さんは私の顔をじっと見て、ふーんと興味なさげに頷く。







もちろん、全てが嘘という訳では無いけれど。







「ですから、心配して頂かなくても」


「お前さ、ちゃんと泣いてねーだろ」







唐突に、私の言葉を遮るように話してくる宇髄さんの言葉を、なかなか理解できないずに一人顔を顰めていると、宇髄さんは雛鶴さん達に視線を向ける。







「あいつらは、俺が死にそうになるだけで

周りでピーピー泣いたぞ」


「…本当に口が悪いんだから」



あなたを思って泣いてくれているのよと、この人の性格を十分理解した上で、私は呆れながら返す。








「…なぁ。お前はなんで我慢するんだ?」



聞かせてくれと、心配そうな目で訴えかけてくる宇髄さんに、私の口は案外簡単にするりと開いた。








「…我慢なんてしていませんよ

ただ、私に泣いてる暇などなかったというだけ」



突然、杏寿郎か死んだと聞かされて、私は千寿郎を守らなければならないと決心した。

そんな中、槇寿郎さんが急に昔使っていた日輪刀を持って出たと思ったら、翌日、鬼舞辻無惨が死んだと聞かされた。









鬼舞辻無惨の死亡。


鬼の絶滅。




その対価にしたら、隊員の数名が生き残っているだけでも、奇跡。





尊い犠牲。









そう周りの大人達は盛大に話すが、私はそんな風に割り切れるわけなかった。









心の叫び→←命名



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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- 涙止まらん。最高です (8月18日 23時) (レス) @page6 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 初めてのコメント失礼します!メチャ号泣しました! ほんとに感動しました! (2022年3月29日 17時) (レス) @page33 id: 70da419123 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - つんつくさん» お返事遅くなってしまって申し訳ありません。暖かいコメントありがとうございます!手紙の内容については煉獄さんの性格などを色々悩んで書いたところなので、そう言っていただけるととても嬉しいです。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - みっちゃんさん» 2度も素敵なコメントありがとうございます!嬉しいコメントばかりで、物語を書くにあたって凄く励みになりました!お返事遅くなってしまって申し訳ありませんが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
つんつく(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この度は完結おめでとうございます。作品のファンになりずっと楽しみに読ませていただいてました。煉獄さんの手紙にはいつもいつも泣かされました素敵すぎです。美しくとっても素敵な作品をありがとうございました。 (2021年2月4日 15時) (レス) id: 60af00218e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年11月21日 1時

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