長期合宿 ページ43
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その日の夜。
いつも通り自主練を終えた私は、木兎たちとご飯を済ませ、お風呂場まで速攻で走る。
「あれ！？みんなもう出ちゃってるぅぅぅ」
「あっごめ〜ん、
A、今日も遅そうだから暑くて上がっちゃった〜」
髪を拭きながらそう答える雪絵に、私は他の3人は！？と焦りながら聞く。
「かおり達はとっくに出ちゃったよ〜？」
「うわーん、薄情者ー！」
そう一人で嘆いていると、私もご飯食べてたら置いてかれたの〜なんて雪絵は呑気に笑っている。
雪絵！お願い、待ってて！
そんな願いは、あの人間バキューム(こんなこと言ってるから)には聞き入れて貰えず、私は一人孤独にお風呂を済ませた。
◇
お風呂上がり、一人でマネの部屋までの廊下を歩いていると、ある人物を発見する。
「どうした？こんな所で」
「…あ、一条さん。こんばんは」
律儀に挨拶して頭を下げる赤葦にこんばんはーと笑えば、こっちに木兎さんたち来ませんでしたか？と聞いてくる。
たちっていうと？と何となく察しのつくメンバーを聞いてみれば、木葉と小見も一緒に居なくなったらしい。
このメンツ的に、大方どっかの教室で遊んでいるのだろう。
「大変だね、手のかかる先輩を持つと」
「まぁ、あと1年もしないうちに、
あの人たちが最高学年になることの方が心配です。」
「…ほんとに苦労するね、赤葦」
しばらくの沈黙の後、私はこの静かな空気を破るように、こっちの方に来たならここら辺で待ってみようかと提案する。
一緒に待つよと私が言うと、一条さん先に髪乾かした方が良くないですか？と心配してくれる赤葦に、別に平気だよと軽く答えた。
「タオルあるし、私のことは気にしないで。
このまままじゃ赤葦があまりにも哀れで」
「…すみません。ありがとうございます」
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作者名：西川あや x他1人 | 作成日時：2020年8月5日 21時
