長期合宿 ページ22
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「んんん？」
適当にキョロキョロ辺りを見渡していれば、ふとある人物が目に入る。
それは、何やら真子ちゃんを見て頬を染めている小鹿野の姿だった。
「おやおや」
なんだかとても楽しそうな予感がして、私はそっと小鹿野に近づき、今日も素敵なブロッコリーヘアーだねと、自分でも訳の分からないことを言って話しかける。
「っ、なんだ一条かよ…」
「あらヤダ小鹿野クン。
もしかして真子ちゃんにでも見惚れてたのぉ？」
先々週辺りの2日間の合宿で仲良くなったため、揶揄うような口調でコソッと真子ちゃんの名前を出せば、驚いたように肩を跳ねさせた。
「は！？ばっ馬鹿！！」
そんな訳ねぇだろ！！と、顔を真っ赤にして否定する小鹿野は、驚くほど説得力がない。
あは。なんだこれ、めっちゃ面白い。(最低)
「小鹿野！大丈夫！卒業まで後2年もあるんだから！
気長に頑張れよぅ…！」
「っ、おま、余計なお世話だ！！」
見た感じというか、どう見ても小鹿野の片思いだが、私はアプローチが大切だぞ！とアドバイスをすると、動揺して荒ぶるブロッコリー。
「おい、他校のやつ揶揄うな」
「いてっ」
このこのぉなんて小鹿野にちょっかいを出していると、後ろからペシッと頭を叩かれて腕を引っ張られる。
振り向いて確認しようとすれば、呆れた顔の黒尾と目が合った。
「悪いな、うちのが」
「いや、いいよ…お前も大変だな。」
謝る黒尾と、そんな黒尾に哀れみの目を向ける小鹿野。
そんな二人の会話を聞きながら、私は黒尾に叩かれた痛くもない頭を抑えて被害者ヅラする。
「黒尾が叩いた！！痛いよ小鹿野〜」
「お前ホント調子いいな」
◇
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作者名：西川あや x他1人 | 作成日時：2020年8月5日 21時
