長期合宿 ページ21
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そしてかき氷機を没収されて数日。
夏休み初日に職員室に呼び出された私は、汚そうな箱の中に捕らえられたシロクマを発見する。
私的にはお気に入りのシロクマの半笑いは、先生たちには恐ろしいほど受けが悪く、気持ち悪いとか何とかいわれて、顔の部分にティッシュを被せられていた。
普通に酷い。
何より、私が直井さんに課せられたペナルティについてでも聞いたのか、愉快そうに笑う小林先生を筆頭に、二年担当の先生たちが気持ち悪いほどの笑みを浮かべていたことがムカついた。
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そして、現在は朝の7時45分。
「真子ちゃーん！！」
朝早くからバスに乗り、爆睡すること数十分。
私たちは森然高校の駐車場に着いた。
バスが止まる少し離れたところに、数人の部員と出迎えに来てくれた真子ちゃんが見え、私はバスの中から全力で手を振る。
自分の荷物と部活用の荷物を両肩に提げ、全員が降りた後に忘れ物がないかを確認して、バスの前で待つみんなの元へ急ぐ。
音駒のバレー部のOBらしい運転手さんに全員で挨拶をし終わると、私は走って真子ちゃんの元へ向かった。
「真子ちゃん！」
「Aさん、こんにちは！」
私が走って駆け寄ると、真子ちゃんも嬉しそうに小走りでこちらに向かってきて、私たちは抱きしめ合いながら挨拶を交わした。
「1週間、お互い頑張ろうね！」
「っはい！」
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「ところでAさん、
そっちのちっちゃい荷物はなんですか？」
「ん？あっそうだ！
今回はお風呂用にアヒル持ってきたんだよ！！」
かき氷機を学校に持ちこんでからというもの、ペナルティが怖くてなかなか遊べない私は、これなら別に怒られまいと、水鉄砲を諦めて用意したアヒル達。
お風呂に浮かべて遊ぼうと、幼稚園並みの知能の私は、網ネットに窮屈そうに入ったアヒル達を、歩きながら自慢げに見せる。
「アヒルですか、かわいいですね〜！」
真子ちゃんは嬉しそうに頬を緩めて、ふふっと可愛らしい笑みを零す。
少し周りを見渡してみれば、案内してくれている森然メンバーはほとんどが１、２年生らしく、去年は見なかった人が結構増えている。
埼玉の中でもを高いレベルを誇る森然高校は、3年生が主力のチームだと思っていたが、今年は意外にも1、2年生たちが多く参加しているようにも見えた。
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作者名：西川あや x他1人 | 作成日時：2020年8月5日 21時
