親睦会 ページ3
◇
「うわっなんだこれ」
ある程度の数が焼き終わると、後は楽しく焼こうということみんなでワイワイしている中、夜久がいきなりむせかえる。
「っA、お前なんか入れたな！？」
「は！？なんで！？」
迷わず私を疑う夜久に、失礼すぎんだろ！と猛抗議する。
「じゃあお前以外に誰がいんだ！！」
「知らないよ！
だって私、グミくらいしか入れてないもん！！」
「「グミ…？」」
みんなが首を傾げる中、えっうん？グミと答えると、…グミなんて入れんじゃねぇ！と夜久が私の頬を鷲掴みにする。
「ぅいひいでしょ」
「美味いわけあるかっ！！」
そう怒る夜久の手を引き剥がそうともがいていると、責任もってお前が食えとたこ焼きを口に突っ込まれる。
「っアッツ！！」
涙目になりながらたこ焼きを皿の上に吐き出せば、研磨からうわ…とドン引きの声が聞こえてきた。
「ねぇ、夜久馬鹿なの！？口内火傷しちゃったよ！！
私芸人じゃないんだから！！」
ヒリヒリする…と舌を出して冷まそうとすると、海が早く飲みなと水をくれる。
ありがとうと優しい海にお礼を言ってから、皿の上に吐き出したたこ焼きを冷めたか確認し、もう一度口に運ぶと汚ねぇ…と黒尾が顔を顰めた。
「うん、確かに不味い」
「馬鹿か」
自分でも思ったより不味くて驚いていると、海もグミたこ焼きが当たってしまったのか、すごい不味いと楽しそうに笑っている。
「いや、なんで上手いと思ったんだよ…」
「美味しいものと美味しいものじゃん！！」
合わせたら更に美味しいもんでしょ？と黒尾に返せば、隣にいた研磨が絶対言うと思った…と呟いた。
「…Aは基本馬鹿だから」
「研磨サン、それただの悪口」
バカなんて人に言っちゃダメ！と研磨に注意しながら、口直しのために普通のたこ焼きを食べると、今までのより美味しさが倍になった気がした。
「あー染み渡るわぁ」
「お前はおっさんか」
◇
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作者名：西川あや x他1人 | 作成日時：2020年8月5日 21時
