3 ページ32
今日もいた。いや実はもっと前からいたのかもしれない。
「(人1)さん?」
『!』
「待って!」
『や、やめて…離して…っ』
思わず逃げようとした腕を掴むと、涙声になって訴える(人1)さん。顔はよく見えないけど。
「俺は、君をいじめたりしないから。ね?」
『そう言われて何回も騙されてきたのっ』
「俺は君をいじめてる人みたいにクズじゃない。いじめる理由なんて見つからないよ」
『…本当に?』
「もちろん」
『………わか、りました。信じます』
腕を離し、日当たりのいいところに歩いていく(人1)さんのあとを追う。
座ったから隣に座ったけど、すぐに避けられた。まだ信じられてないみたいだ。
『いじめられてること…よくご存知ですね』
「まあ…詳しい友達に聞いて」
『…それで、何のようですか』
「えっ」
『あなたこの前の人ですよね。確か、4組の大木くん』
「あ、うん…」
知られていることに驚いた俺に対して、平然として話をする(人1)さん。
「…意外と、ちゃんと話せる人なんだね」
『ただの陰キャだと思わないでください。いじめが、いじめが…怖いだけなんです…』
「ごめん…」
もういじめの話はしないようにしようと思った。怖がらせてはいけないと思った。見るからに細い彼女は、膝を抱えて震えていた。
「ただ、気になって…いつもここにいるの?」
『まあ…下見だけど』
「え?なに?なんの?」
何かをぼそっと言ったから、どれだけ聞き返しても『なんでもない』の一点張りだった。
『それでは』
「あっ、ちょ!」
やっぱり逃げ足は速くて、手を掴むことは出来なかった。
102人がお気に入り
「YouTuber」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - リンさん» ちょっと違う気がしますがありがとうございました! (2018年1月20日 22時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
リン - ありがとうございました。面白かったです。 (2018年1月20日 22時) (レス) id: da57983ead (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - ありがとうございます!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 未来さん» 了解です! (2018年1月20日 21時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - りょうくんとイチャイチャするシチュエーションってお願いできますか?? (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやもち(新アカウント) | 作者ホームページ:https://twitter.com/avntis_TO_mizu
作成日時:2017年11月17日 14時