８ ページ21
「負けんなよ！応援してる！」
『私も応援してます』
てつやさんの言葉を最後に、東海オンエアはぶんぶん手を振って、病室を出ていった。病室は一気に静かになった。
『たのしかった』
「よかった」
『ありがとうみんな』
「いいってことよ(笑)」
ちょっと疲れたのか、Aはベッドにすぐに横になった。
『夢みたい、東海オンエアに会えるなんて』
「喜んでもらえてよかった」
『うれしいよ』
そう言うとAは目を閉じ、規則正しい寝息を立てて寝てしまった。
「おやすみ。明日から頑張れ」
Aが本当につらいのは、抗がん剤治療をする明日からだと俺は思った。できることはただAを支えることだけだけど、少しでもそばにいてあげたい。
「帰ろっか、そろそろ」
「動画撮ろう」
エイジお疲れ。帰るね。体調良くなったら今日の動画みてね
そら楽しかった??誰かライン欲しいって言ってたから後で送るわ!おやすみ!
ツリメ明日から抗がん剤治療頑張れ!毎日のように来るから笑おやすみ
リクヲ今日は楽しんでもらえた?明日から辛いけど頑張れ。必ずお見舞い行くね
それぞれAに1件ラインを入れて、俺たちは病室をあとにした。
。
その夜、Aから電話が来た。
《もしもしえいちゃん？》
「うん。大丈夫？」
《すっかり。忙しい？》
「全然」
少し声が
「どした？」
《お礼言いたくて。今日は本当にありがとう》
「いいっていいって。誰かからライン来た？」
《全員から来た》
「まじか」
《どれもこれも、えいちゃんたちのおかげだよ》
「なんか照れくさいからやめて」
なぜか大爆笑するA。失礼極まりない。
《えいちゃんが照れてるところ今まで見たことないわ》
「絶対見せない」
《今度見てやろ》
「照れないから」
Aのことだから、明日への不安を感じて電話をしてきたのだろう。バレーの試合前日はいつも電話をしてきていた。
「A」
《うん？》
「不安？」
《うん…》
「怖い？」
《そりゃ》
「誰もAの楽しみは奪ったりしないよ。A今までめっちゃ努力してきたじゃん。バレーと同じ。続けてれば結果は見えてくるよ」
電話の奥で小さくすすり泣く声が聞こえた。何度も、うん、と繰り返していた。
その日はAが寝落ちするまで電話をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「短編集」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - あやねさん» みのですね！そういえばカリブラ100万人突破しましたね！気長にお待ちくださいー (2018年3月17日 15時) (
レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 月夜さん» 了解しました！気長にお待ちくださいませー (2018年3月17日 14時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - ライカさん» 了解です！気長にお待ちくださいー (2018年3月17日 14時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
あやね(プロフ) - カリブラのみのとのいちゃつきを見たい！カレカノ設定は任せます！笑 (2018年3月17日 14時) (レス) id: d7c9d23937 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - あやもち(新アカウント)さん» ありがとうございました。としみつでメンバーに彼女の惚気話をするお話お願いします！！夢主は一般人で清楚系でお願いします！！ (2018年3月17日 5時) (レス) id: 8724e14dbe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやもち(新アカウント) | 作者ホームページ：https://twitter.com/avntis_TO_mizu
作成日時：2018年3月1日 1時
