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Aは泣きながらリハビリを続けていた。
慣れたら、家の周りを朝早くに走っていた。たまに俺も一緒に走った。
『こんなのに、っ…楽しみ奪われてたまるかってのっ…!』
俺は背中を押してやることしかできなかったけど、Aを初めて尊敬した理由のひとつでもあった。
長いリハビリの末、Aはバレー部に復帰。またすぐに活躍をし、一目脚光を浴びた。試合にはみんなで見に行った。試合中のAはきらきらしていた。
バレー部を引退後、Aはいきなり音楽にハマり始め、めげずに音大を受けたのだ。
Aの今の楽しみってなんだろう。やっぱり音楽なのだろうか。
「あぁ…私どうすればいいのかしら……」
おばさんはひとこと謝り、席を外した。
そのまま戻ってくることは無かった。まっすぐ帰ったのかもしれない。
「あの…(人1)Aさんのご友人ですか?」
「あ、はい、まあ」
「よろしければ、病室へどうぞ」
新人らしき看護師さんが指を指す方向へ向かう。そこには、Aの名前が書いてあるプレートがあった。
少し、開けるのが怖かった。開けようとすると手が震えた。取っ手に手をつけられなかった。
「えいちゃん大丈夫?」
「うん…」
「開けるよ」
ツリメが静かに扉を開けた。中は窓から差し込む夕焼けで明るくなっていた。
「A……心臓に疾患があるなんて聞いてねえよ、ばか」
そらは今にも泣きそうな声で呟いた。
りっくんはAの顔をじっと見つめていた。
ツリメは手で顔を覆って立ち尽くしたまま。
俺は何も考えてられなかった。
Aは酸素マスクを付けていた。規則的な機械音がやけに耳障りだった。でも、この音Aの生きている証拠だ。きっと必死に病魔と闘っているのだろう。
「A、元気になるよね、」
「…なるよ」
「また、起こしに来てご飯作ってくれるかな」
「うん…」
ツリメの言葉に、短い返事しかできなかった。
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あやもち(新アカウント)(プロフ) - あやねさん» みのですね!そういえばカリブラ100万人突破しましたね!気長にお待ちくださいー (2018年3月17日 15時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 月夜さん» 了解しました!気長にお待ちくださいませー (2018年3月17日 14時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - ライカさん» 了解です!気長にお待ちくださいー (2018年3月17日 14時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
あやね(プロフ) - カリブラのみのとのいちゃつきを見たい!カレカノ設定は任せます!笑 (2018年3月17日 14時) (レス) id: d7c9d23937 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - あやもち(新アカウント)さん» ありがとうございました。としみつでメンバーに彼女の惚気話をするお話お願いします!!夢主は一般人で清楚系でお願いします!! (2018年3月17日 5時) (レス) id: 8724e14dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやもち(新アカウント) | 作者ホームページ:https://twitter.com/avntis_TO_mizu
作成日時:2018年3月1日 1時