検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:34,312 hit

ページ17

Aは泣きながらリハビリを続けていた。
慣れたら、家の周りを朝早くに走っていた。たまに俺も一緒に走った。

『こんなのに、っ…楽しみ奪われてたまるかってのっ…!』

俺は背中を押してやることしかできなかったけど、Aを初めて尊敬した理由のひとつでもあった。

長いリハビリの末、Aはバレー部に復帰。またすぐに活躍をし、一目脚光を浴びた。試合にはみんなで見に行った。試合中のAはきらきらしていた。
バレー部を引退後、Aはいきなり音楽にハマり始め、めげずに音大を受けたのだ。

Aの今の楽しみってなんだろう。やっぱり音楽なのだろうか。

「あぁ…私どうすればいいのかしら……」

おばさんはひとこと謝り、席を外した。
そのまま戻ってくることは無かった。まっすぐ帰ったのかもしれない。

「あの…(人1)Aさんのご友人ですか?」
「あ、はい、まあ」
「よろしければ、病室へどうぞ」

新人らしき看護師さんが指を指す方向へ向かう。そこには、Aの名前が書いてあるプレートがあった。

少し、開けるのが怖かった。開けようとすると手が震えた。取っ手に手をつけられなかった。

「えいちゃん大丈夫?」
「うん…」
「開けるよ」

ツリメが静かに扉を開けた。中は窓から差し込む夕焼けで明るくなっていた。

「A……心臓に疾患があるなんて聞いてねえよ、ばか」

そらは今にも泣きそうな声で呟いた。
りっくんはAの顔をじっと見つめていた。
ツリメは手で顔を覆って立ち尽くしたまま。
俺は何も考えてられなかった。

Aは酸素マスクを付けていた。規則的な機械音がやけに耳障りだった。でも、この音Aの生きている証拠だ。きっと必死に病魔と闘っているのだろう。

「A、元気になるよね、」
「…なるよ」
「また、起こしに来てご飯作ってくれるかな」
「うん…」

ツリメの言葉に、短い返事しかできなかった。

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
110人がお気に入り
設定タグ:YouTuber , 短編集 , 中短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あやもち(新アカウント)(プロフ) - あやねさん» みのですね!そういえばカリブラ100万人突破しましたね!気長にお待ちくださいー (2018年3月17日 15時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 月夜さん» 了解しました!気長にお待ちくださいませー (2018年3月17日 14時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - ライカさん» 了解です!気長にお待ちくださいー (2018年3月17日 14時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
あやね(プロフ) - カリブラのみのとのいちゃつきを見たい!カレカノ設定は任せます!笑 (2018年3月17日 14時) (レス) id: d7c9d23937 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - あやもち(新アカウント)さん» ありがとうございました。としみつでメンバーに彼女の惚気話をするお話お願いします!!夢主は一般人で清楚系でお願いします!! (2018年3月17日 5時) (レス) id: 8724e14dbe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あやもち(新アカウント) | 作者ホームページ:https://twitter.com/avntis_TO_mizu  
作成日時:2018年3月1日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。