海水に溺れて《4th》【YouTuber中短編集】

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Aside

ざわくん今日撮影だよ。来る?

あれから、撮影がある日はいつもざわくんは連絡してくれる。でも、てつややりょうくんのようにざわくんを含める他のメンバーも人を食べるなら。あそこにいてはいつ死ぬかわからないという恐怖が押し寄せてきて、撮影にはろくに行けなかった。

連絡も返してない。Twitterのリプでも心配する声があった。外に出たら襲われるかもしれない。私はずっと家に閉じこもっていた。

『怖い…怖いよ…誰か助けて…』

こういうとき、誰を頼るべきなんだろう。警察？友達？家族？

ここ最近、人が亡くなったなんてニュースは見てない。けど行方不明事件があった。きっとみんな隠れてやっているのだろう。

そんなとき、ざわくんから再びラインが来た。

ざわくん今日久しぶりにしばゆーとゆめまる来てるよ

今は、誰にも会いたくない。

。

『ん……』

いつの間にか寝ていたみたいで、しかもテーブルに顔を伏せて寝ていたから体中が痛かった。

『4時か…』

掛けてある時計の針は4を指していて、外は夕焼け空になりかけていた。

『何か買いに行かないとなあ…』

ずっと家に閉じこもっていたため、冷蔵庫にはあまり食べるものが入っていなかった。嫌でも買い物には行かないといけない。

『いってきます』

しっかり施錠をし、辺りを確認しながら家を出た。
最寄りのスーパーまでは歩いて行ける距離だ。怖いから車には乗っていきたいけど、考えてもみよう。今日は撮影だし、例え外撮影だとしてもさすがにスーパーまでは来ないだろう。行くなら公園か、もしくは高校か。

色々考えながら歩いているうち、スーパーは目の前に見えてきた。念の為に、メンバーがいないか確かめる。

『どんだけ疑ってんだか…』

こうなると笑いしか出てこないけど、あんなものを見せられれば仕方ないことだと思う。

『何食べよう…』

カゴを持ち、料理の完成を想像しながら歩く。すると、パッと牛肉が目に入った。それと同時に、あの時の光景がフラッシュバックした。私は肉料理はやめようと思った。

「ありがとうございました〜」

レジの人に少し頭を下げ、スーパーの自動ドアをくぐった。

。

『！あれは…』

スーパーからちょっととしたところで、見覚えのある後ろ姿が歩いていた。服と髪型で、すぐわかった。

『としみつ…』

撮影は外だったのか。それともとしみつは撮影に行かなかった？いや、ざわくんは全員揃うって言ってた。

「…A」

私の体は反射的に反対へ戻っていた。

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