海水に溺れて《4th》【YouTuber中短編集】

アバンティーズ【くりあ様リクエスト】 ページ11

俺、そらは今同じメンバーであるAを5分ほど説得していた。

「お願いだから出て！」
『絶対に嫌』

俺がAに5分間ずっと頼み込んでいるのは、uuum運動会についてだった。
uuum運動会の1番の目玉であるリレーは、盛り上がりもすごい。もちろん優勝を目指していることだ。

Aは中高文化部(美術部)だったのに関わらず、毎年恒例体育祭のリレーはアンカーを務め、ぶっちぎりの1位をかましていた。

「お前足速いじゃん！お願いっ」
『断固拒否。心も体ももうすでにババア化してるの』
「何でだよぉっ！」

しかしAは、高校を卒業してからは運動すらもしなくなった。それに、激しく動く企画もやらなくなっていた。

「ほんの4年くらい前じゃん」
「そうだよ。ババアとか言ってられないよ？」
『分かってないな、えいちゃんもみっくんも。女のが年取ると動けなくなるもんなの』
「何適当なこと言ってんだ(笑)」

えいちゃんが鼻で笑うと、Aはぎろりとえいちゃんを睨んだ。えいちゃんは目線を向けずに言った。

「自分がメンバーだって分かってる？最近動画も休みがちだし、自覚してよ」
『私にだって都合はあるんだよ』
「そんなの俺らもだよ」
『……はぁ。そら、ちょっと時間ちょうだい』
「うん」

りっくんは嫌な雰囲気に苦笑いしてご飯食べに行こうか、と言った。

『私いい。用事ある』
「あ、そっか」
「じゃあ俺らだけで行こうぜ〜」
「何食べる？」
「A5松坂」
「ばかたれ」

俺たちが何を食べるか話している時には、もうAは家にはいなかった。

。

Auuum運動会出る

「Auuum運動会出るって」
「おー、腹割ったか」
「えいちゃんの一言が身に染みたのかな？」
「ちょっと図星って顔してたね(笑)」

一週間くらいした時、Aからラインが一通きた。素っ気ない返事だったけど、出てはくれるらしい。でも今日の撮影は休むという。

uuum運動会まで特に練習とかはしないが、Aの足の速さには本当に期待出来る。







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uuum運動会については、作者が種目を描くのにわかりやすくするため、
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こちらの動画を参考にしています。2016年のuuum運動会です！

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