111 広臣side ページ17
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臣「バーで何か飲む?」
「うん」
グラスに口をつけチラッと俺を見るA。
可愛いな(笑)
「話があるんだけど、聞いてくれる?
私のこと、話してもいい?」
遠慮気味に俺を見上げる。
臣「聞きたい。」
俺がそう言うと少し笑って続けた。
「私、小さい頃1人で飛行機に乗って
その時から私の夢はCAだったの。
高校も、大学もそのために選んで受験した。
やっとの思いで今の会社に入社して
それからはもう無我夢中で
私に巡ってきたチャンスは全て
自分のものにしてきた。」
Aの話し方で
俺も隆二も知らない話をするんだな、
そう思った。
「入社して何度目かの訓練の時、
実物大模型の上で
バランスを崩して落ちそうになった私を
先輩がかばって私の代わりに落ちたの。
下にはマットがあって
先輩は怪我せずに済んでよかったんだけど。
もしかしたら私のせいでって。」
その時から少し怖かったのかも。
そう言ってグラスを持つ手が震えていた。
きゅっとその手を握ると、
一度だけ俺の目を見てまた話し始めた。
「これまではなんとかパスしてたんだけど、
この前の訓練でふとした瞬間に
その場面を思い出して、
めまいがして、気づいたらマットの上だった。
その瞬間思ったの。
もう私には、この仕事はできない。
お客様の安全を第一に考えるのが
私の仕事なのに。
自分のことすらちゃんとできないなんて。
それから色々考えたの。
ずっとできる仕事ではないと思ってたし
私にはやりたいことが他にもあるから。
…まさかそんなことぐるぐる考えてるときに
隆二くんに拾われるとは
思ってもなかったんだけど(笑)」
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さやP - とてもおもろいです (2016年2月20日 14時) (レス) id: fda0d0e07d (このIDを非表示/違反報告)
セロリ(プロフ) - uriuri55633796さん» コメントありがとうございます!共通点気になります(笑)第四章公開しましたので、覗いてやってください! (2015年11月12日 14時) (レス) id: e494b0a623 (このIDを非表示/違反報告)
セロリ(プロフ) - はにゃ*さん» コメントありがとうございます!!ずっと温めてきた作品なのでそう言って頂けて嬉しいです!更新頑張ります! (2015年11月12日 14時) (レス) id: e494b0a623 (このIDを非表示/違反報告)
uriuri55633796(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます。共通点が多くて正直ビックリドキドキしながら読んでます。続き楽しみです。 (2015年11月12日 0時) (レス) id: 03e271a421 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ* - はじめまして。作品読ませていただきました!!(あまりにもいい作品すぎて即読み終わりました…笑) これからも楽しみにしてます(*´`*) 頑張ってください!! (2015年11月11日 21時) (レス) id: b25cff1cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セロリ | 作成日時:2015年11月8日 0時