ふたり。 -Another Story-

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yt side




ずっと自信がなかった。



好きな人を忘れられなくて、自分のことを好きな人と付き合う、なんてよくある話で。





もしかしたら大ちゃんもそうなのかな？なんて。






でも、杞憂だった。




今こうして俺の前で大ちゃんが笑っている。



大好きだって言ってキスしてくれた。





注文したコースの前菜早く来ないかなーってそわそわしてる姿も、かわいい。






もし気持ちの大きさを測る機械があるなら、俺の気持ちの大きさは大ちゃんの気持ちの10倍くらいだろう。



それを言ったら大ちゃんは否定するんだろうけど。





『わ、前菜来たよ。うまそー...！』





目をきらきらさせる大ちゃん。




ほんとにもう...。




「ずるいよね、大ちゃんって」



『え？』





ぱしゃ。





顔を上げた大ちゃんを撮る。



途端に大ちゃんは顔を真っ赤にして。




『な、今撮ったろ！』


「かわいすぎ。大好きが溢れて止まんねえよ」




言うと、大ちゃんはますます顔を赤らめて両手で隠してしまった。





『ずるいのはそっちだろ...馬鹿...』



「え？何が？」





少しとぼけてみる。



指の間から少し顔が覗いて、くすくすとお互い笑いがこぼれた。





『大好きだよ。裕翔』



「俺の方が大好きだよ。大ちゃん」





『あーもう、あっちいわ。早く食おーぜ』





言いながら手で顔を仰ぐ大ちゃんをまた写真に撮って。



この大ちゃんはかっこいい大ちゃんだ。





かわいい大ちゃん。


かっこいい大ちゃん。


おもしろい大ちゃん。


素敵な大ちゃんも、ちょっと事故っちゃった大ちゃんも。





全部全部大好きだから。




「一生大事にするからね」




『...うん』





お誕生日おめでとう、大ちゃん。


大好き。愛してます。







大好きのお話 終

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