ふたり。新生活4【in×ym】

ym ページ45

次の日、大ちゃんと裕翔がお見舞いに来てくれた。




『うわぁ...ちっちぇえ...』


『春樹くん、こんにちは〜』



2人が話しかけると、返事をするように春樹がバタバタと手足を動かして。



「ね、春くんも2人来てくれて嬉しいね〜」


『うぅ〜』



かわいい〜！って裕翔が鞄から取り出したのは一眼レフ。





「お前なんでそんなん持ってんだよ笑」


『え？だって春樹くんに会えるんだからいい写真撮りたいじゃん』




言いながらばしゃばしゃと写真を撮っていく。


画面を覗き込むと、うーわ、春樹モデルみたい。



さすが俺の息子...かわいい...。




『山田、やっぱ痛かった？』


静かに春樹と触れ合っていた大ちゃんが俺に聞いた。



「うん、めっちゃ痛かった。...けど、今思うと幸せな痛みだったと思うし...春樹の顔見たら全部吹っ飛んだよ」




『へえー...そっか。...すげ、一重なのに目でっか』




「俺も慧も二重だから、上手く遺伝してくれたら二重のぱっちりお目目になると思うんだよね。イケメンになるかな〜」




『山田と伊野ちゃんの息子だぜ？不細工なわけねえだろ』




な？と大ちゃんが春樹に笑いかけた。


すると、途端に春樹が泣き出して。



「おい〜春樹泣かせんなよお〜」


『俺じゃねえだろ！笑ミルクじゃねーの？』




「はいはい、どーした？」



抱き上げると、オムツじゃないっぽいし...やっぱミルクか。




男の人でも出る人は出るんだけど、俺は全く出ないタイプだったみたいで。


だからミルクは人工的に作らなきゃいけない。




「ごめん、ちょっと待ってて。急ぐなら帰ってもいいけど」


『大丈夫。待ってるよ』




裕翔がガラガラを振りながら言った。



はい、と渡されて受け取って、春樹に握らせる。


俺は横にあるチェストから哺乳瓶を取って、お湯がある授乳室に向かった。

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