薮の部屋 ページ37
伊「え、薮ってそっち側！？！？」
中学生の時、Ya-Ya-Yahの収録の休憩中に伊野尾が大声を出した。
突然のことすぎて目をぱちくりしてしまう。
薮「そっち側って何...」
伊「あ、いや...」
伊野尾はそのまま俺に話しかけることなく、一人でぶつぶつ言い始めた。
耳をすましてみると、「裕翔も光もって思ってたけど...そっか...薮もか...」って。
薮「え、ねえなんのこと...？」
伊「薮は人...」
伊野尾はそこまで言うと、周りを見回してから俺の耳に顔を近づけた。
伊「人殺したことある...？」
薮「...！」
なんで知ってるんだ、と思った。
小さい頃から殺す、という行為が好きで、動物から始まり、学校のいじめっ子、知らない子、通りすがりの人...とだんだんエスカレートしていった。
伊「大丈夫だよ。俺に従ってれば誰にもバレないし、これからも人を殺せる」
薮「ほんと...？」
普段ふわふわしていて、かわいらしい伊野尾からは想像もできないほど、怖い顔をしていた。
途端に目が青くなって、俺の頬に手が添えられる。
ぐっと顔を近づけられて目を覗き込まれた。
伊「...うん、間違いない。ふふ、どんどん増えるなあ...楽しいや...」
仕事中と雰囲気が全然違う伊野尾にビビりながらも、これからも捕まらずに人を殺せるという甘い言葉に引き寄せられて、それから俺は伊野尾の言いなりになった。
それからデビューを言い渡された時、そのメンバーを伊野尾が集めたことを知った。
幸せそうなメンバーもいれば、ビクビクしているメンバーもいる。
どうやら俺は最年長らしい。
伊「薮〜」
薮「ん？」
伊「明日どんな殺し方すんの」
薮「お楽しみ」
伊野尾は俺の好きな殺し方で殺させてくれる。
デビューしてから、毎日が幸せなんだ。
薮の部屋 fin.
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れっしー - とても面白かったです。これからも頑張ってください！ (2021年1月17日 13時) (
レス) id: aa496b1864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志乃 | 作成日時：2020年9月22日 9時
