ふたり。新生活11【in×ym】 (ページ9)

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俺は楓くんを慧に任せて、急いで子供部屋に向かった。

すると、春樹はそこでうつ伏せに寝転がって泣いていて。

「春くん、」

『や！』

顔をこっちに向けてくれない...。

「どうしたの、お話してくれないと分かんないよ」

『いやあの！あっちいって！』

「なんで？悲しいなあ。お話しようよ」

『あっちいってってばぁ！』

春樹ががばっと起き上がって、俺の体を押した。

俺の体が後ろによろけるのも気にせず、ふん！とまた元のうつ伏せに戻って。

「涼が何か悪いことしちゃったならごめんね。あーんして欲しかった？」

...答えない。

「...春くんがお話したいって思うまで、涼待ってるから。お腹すいたらおいで」

ふてくされる春樹の頭をぽんぽんと撫でて、俺はリビングに戻った。

楓くんは離乳食を食べ終わってご機嫌に笑っている。

『春樹どしたの』

「分かんない。あーんってしなかったから拗ねてるのかも。春樹から話してくれるまで待つことにした」

『そっか』

春樹がひっくり返したカレーを片付けながら、俺は泣きそうになっていた。

俺、親なのに全然春樹の気持ち分かってやれてない...。