16 ページ16
「ゆき、ちょっと話がある」
俺は意を決してゆきを呼び出した。
「何？話って」
「一旦...距離置きたい」
ゆきがフリーズした。
「え、な、なんで、私なんかした？」
「そうじゃなくて...卒論とかも、あるし」
適当に考えた理由をつけて、俺は少し冷たく言った。
「...だよ」
「え？」
聞き返すと、ゆきは涙目で顔を上げた。
「私、伊野尾くんが好きなんだよ！？」
俺は言葉を失った。
「で、でも俺、彼女作る気は...」
「そうじゃなくて！」
そうじゃなくてさ...とゆきが言った。
「好きな人に距離置きたいって言われる気持ち分かんない？私、付き合わなくたっていいから、伊野尾くんのそばにいたいの」
「ごめん...」
俺のわがままだけれど。
ゆきといると俺はだめになってしまう。
「耐えられないんだよ...」
「...伊野尾くんは、自分のことは後回しなようで本当はいつも自分のことしか考えてないよね」
ゆきはそう言って立ち去った。
そうかもしれない。
俺は、自分が辛いからっていつも...。
自分の情けなさにため息をついて、俺はゆきと反対方向に歩き出した。
その後はずーっと卒論で、どっちにしろAのこともゆきのことも考えている余裕はなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
志乃(プロフ) - いのきんぐさん» ありがとうございますめっちゃ嬉しいです泣頑張ります！ (2021年9月16日 23時) (
レス) id: e83845d39d (このIDを非表示/違反報告)
いのきんぐ(プロフ) - この作品大好きです！毎日楽しみです！これからも頑張ってください！！ (2021年9月16日 22時) (レス) id: 5448d6134a (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - ももさん» 自信喪失気味だったので嬉しいです、ありがとうございます(；；) (2021年9月15日 0時) (レス) id: e83845d39d (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 毎日とても楽しみに読んでいます！！いつも素敵なお話ありがとうございます！！ (2021年9月15日 0時) (レス) id: ee84a1fc22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：志乃 | 作成日時：2021年9月12日 21時
