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ずっと黙ったままだった伊野ちゃんが、ある場所でピタッと止まった。







「ここ」




「ここって...」





大貴の、仕事場...?









「なんで...っ!?」






突然、壁に押さえつけられてキスをされる。







「ちょ、ちょっと!」




「うるさい」





「伊野ちゃ...んっ」







やばい、もうすぐ大貴の仕事終わっちゃうよ...!





胸をとんとん叩いても、伊野ちゃんの勢いは止まらなくて。






思い切って胸をばんと押して伊野ちゃんを無理矢理離した。








「どういうつもりなの...!?」





「大ちゃんに見せつけてやろっかなーって」






そう言って伊野ちゃんはふふっと笑った。





「そろそろ俺のもんにしたいからさ」








ね?と伊野ちゃんは私の手を握った。






頭が混乱して、振り払う気力もなかった。

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作者名:志乃 | 作成日時:2021年8月15日 15時

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