神様は綺麗な花を摘む。2 (ページ7)

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Aのお母さんが出してくれたお茶を飲んでいると、お父さんがさて、と言って椅子に座り直した。

俺も思わず背筋を伸ばす。

父「本題だけど...」

その声を聞いて、AとAのお母さんもテーブルについた。

父「話があるんだよね？」

伊「はい」

俺は頷いて、もう一度姿勢を正した。

伊「Aさんと、真剣にお付き合いさせていただいております。僕は見ての通り長くはないですが...」

そこまで言ってAを見ると、Aも微笑み返してくれた。

伊「Aさんを、全力で幸せにします。Aさんを僕にください」

ありきたりな言葉だけれど、今までの人生で一番気持ちを込めた。

その気持ちがご両親に届くように深々とお辞儀をする。

父「Aが高校生の時...慧くんと付き合い始めた時から、慧くんの話はよく聞いてたよ。俺も、お母さんも、慧くんがどんなに素敵な人か知ってる。

末永く、Aをよろしくお願いします」

顔を上げると、ご両親は揃って俺に向かって頭を下げていた。

俺は慌てて二人に顔を上げるように言った。

伊「本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願いします」

Aを選んでよかった。

Aが俺を選んでくれてよかった。

父「長生きしてくれよ」

伊「...はい、もちろんです」

俺は力強く答えた。