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次の日の朝、慧より早く目が覚めた。






朝ご飯先作っちゃおうかな。







口を開けて寝ている慧に布団をかけ直して、キッチンに向かった。







レシピを見ながら、慧が食べやすいように丁寧に作る。





手間はかかるけれど、慧のことを想ったら全然苦にはならない。









伊「A...っ?Aどこ...っ?」






寝室からかすかに声が聞こえた。





急いで行くと、必死に起き上がろうとしている慧がいて。





慌てて体を支えて、なだめる。







「ごめんごめん、ご飯作ってたの。おはよう」




伊「よかった...いないかと...思った...っ」





「いなくなるわけないでしょ?体持ち上げるよ。...よいしょ」







車椅子に乗せてあげると、途端に慧が目を閉じて唇を尖らせた。






「...え、何」





伊「何って...おはようのちゅーだよ...っ」







...天使だ。天使でしかない。




慧のファンの皆様、ごめんなさい。






私だけの、特権です。








私はそのぷるぷるの唇に私の唇を重ねた。





あまり長くすると慧が苦しくなっちゃうと思って早々に離そうとすると、慧は私の服をぎゅっと引っ張った。







伊「だめ...っ」




そう言ってまた口を塞がれる。






結婚式の朝、夫婦はみんなこんな感じでキスをするものなのだろうか。




だとしたら...毎日でも結婚式したいな。






ずっと、慧と一緒にいたいな...。

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作者名:志乃 | 作成日時:2021年4月27日 10時

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