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A side
退院の日の朝病院に着くと、すでに慧が車椅子に座っていた。
看護師さんとにこにこ喋っている。
「おはよう、慧」
伊「あ、A...おはよう...っ」
看「伊野尾さん、朝ご飯すごいスピードで食べちゃって...『早く車椅子乗せてください』なんて言うんですよ」
看護師さんが笑いながら言った。
伊「だって...楽しみだったから...っ」
「気が早いよ...車椅子なんて私が乗せてあげるのに。すみません...笑」
苦笑いしながら看護師さんに謝る。
看「いいんですよ。こっちまで幸せになれました」
看護師さんが言って、慧がほらね、とでも言うように自慢げに私の方を見た。
私はも〜、と言いながら慧の頭を軽く小突く。
伊「ねー...いいから...早く行こうよ...っ」
「はいはい。...じゃあ、行ってきます」
伊「行ってきまーす...っ」
最悪の事態なんて考えない。
行って「きます」。
ちゃんと帰ってくるから。
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作者名:志乃 | 作成日時:2021年4月27日 10時