神様は綺麗な花を摘む。2 (ページ42)

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Aside

いよいよ結婚式の3日前。退院の許可が貰えるかどうかの日だ。

「慧、今日顔色悪いね...」

伊「そんなことないよ...っやだやだ...今日体調悪かったら許可貰えない...っ」

そう言いながら慧は無理矢理笑ったりして顔色を良くしようとしたけど、変わらなくて。

2人とも諦めかけていた時、お医者さんが来た。

医「ちょっと見せてくださいね。...うーん、顔色は悪いですが...数値が安定しているので、一時的なものでしょう。明日から2日間だけ外泊を許可することにします」

「ほんとですか...っ！？」

私は慧と顔を見合せた。

慧もふわふわと笑みを浮かべている。

医「但し、もし異常が起きたらすぐ救急車を呼んでください。結婚式には医師も同席します」

「分かりました」

医「それと...」

お医者さんが深刻な顔で続けた。

医「数値は安定していますが、本当は退院はかなり厳しい状態です。最悪の事態も十分有り得ますので」

「へ...」

返事が出来なかった。

最悪の事態って...。

死...？

嫌だ、と言いそうになった。けど。

伊「いいです...それで...っ」

「慧...」

伊「Aの家に泊まって死ねるなんて、最高だよ...っ」

そんなこと言わないでよって言いたかったけど、慧が望むことは私が望むこと。

慧には悔いのない人生にして欲しいから。

「はい、分かりました」

慧の方を見ると、すごく幸せそうに笑っている。

私、この笑顔のためならなんでもできるよ。