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A side
伊「そういえば...ライブ、ほんとにやんないの...っ?」
慧がみんなに聞いた。
みんな黙ってしまう中、有岡くんが口を開く。
有「治ってからでも遅くないだろ?」
伊「俺以外の...ファンの子の気持ちは...どうなんの...っ」
少し棘のある口調で言った。
有岡くんが俯いて、黙ってしまって。
伊「俺の病気...治んねえんだってば...。そりゃ俺も...ステージ立ちたいし...っファンのみんなに...会いたいけど...っ治んねえんだよ...っ。一生ライブやんねえつも...けほっけほっ...!」
急いで背中をさすると、慧は私の手を握って深呼吸した。
長く喋るのは辛いはずだけど、伝えたいこともあるんだろう。
伊「さっき...俺がいないとって...言ってくれたの...嬉しかったけどさ...俺のせいで...JUMPが前に進めないのも...嫌なんだよ...っ」
誰も喋らない。
慧は涙目でスマホを睨みつけた。
伊「お前ら...アイドルじゃねえのかよ...っ。ファンを...笑顔にさせる仕事じゃねえのかよ...っ!げほっげほっ...!はあ...っ」
薮「伊野尾、俺達は...っ「もういい...っ」」
「慧...」
慧は酸素マスクを手で押えて目を閉じた。
眉間にしわがよっている。
伊「はあ...っどっちにしろ...苦しくて...もう喋れない...から...っ」
切って、と小さな声で言った。
「でも」
伊「いいから切って...っ!!はぁ...っんぅ...!」
胸を押さえた慧を見て、私はごめんね、と言ってから電話を切った。
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作者名:志乃 | 作成日時:2021年4月27日 10時