神様は綺麗な花を摘む。2 (ページ34)

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向こうにお寿司が運ばれ始めた時。

伊「ん...っはあ...A...」

「ん、苦しい？」

寄りかかってきた慧を支えながら聞くと、うんうんと頷いた。

何度も深呼吸するけど治らず。

髙「伊野尾くん！？」

山「伊野尾ちゃん大丈夫？」

JUMPもそれに気づき始める。

伊「すぅ...っはあ...ごめ、かけ直す...っ」

慧の震える手がスマホに伸びた。

私は慧の代わりに電話を切る。

リクライニングを下げてからナースコールを押すと、すぐに看護師さんが来た。

看「息吸えますか〜？」

すると、慧が首を横に振って私の服を掴んだ。

看「吸えないね、苦しいね。酸素マスクつけましょうか」

鼻から入れるよりも酸素マスクの方が酸素濃度が高く、鼻からも口からも入るからいいんだって。

看護師さんが急いで慧に酸素マスクをつけると、慧は苦しそうにそれを手で掴んだ。

伊「ん...っはあ...っ！い...っ！」

体をよじらせ、のけぞりながら苦痛に耐える慧。

息が吸えない苦しさと、肺が締め付けられる痛みが同時に慧を襲う。

しかも。

伊「げほげほ...っおえっ...！げほっ...！」

酸素マスクの中に吐いてしまった。

看護師さんが急いで酸素マスクを外して、袋を口元に持っていく。

伊「くっ...はあ...っ！ｵｴｯｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」

看「しんどいですね...全部出しちゃいましょうね」

嘔吐のせいで余計に息が吸えなくて、慧の頬に生理的な涙がぼろぼろと流れる。

ここまで苦しそうなのを見るのは初めてで...。

涙がこぼれそうになるのを堪えるのに必死だった。