神様は綺麗な花を摘む。2 (ページ33)

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有「うおーい！こっち決まったよー！」

しばらくして奥から有岡くんの声がして、スマホがスタンドごと受け渡された。

有「やっと伊野ちゃんと話せるよ」

伊「ふふ、大ちゃん...薮...光...久々〜...山田...前来てくれてありがと...っ」

山「俺も会えてよかったよ」

それから、慧はみんなの話に相槌を打ちながら、時々自分も話しながら、楽しそうにしていた。

やっぱりJUMPと話している時の慧が一番幸せそう。

やがて最初の4人も注文が終わって、全員が映る位置にスマホを持って行ってもらった。

伊「みんな...かっこよくなったね...」

薮「急にどうした笑」

有「照れんだろ！」

伊「大ちゃんには言ってない...」

慧が言って、有岡くんはどういうことだよ！と立ち上がった。

隣にいる山田くんに座らされてるけど。

伊「なんか...みんな...キリッてしてる...」

中「Aちゃんはどう思う？」

「え、私？」

急に振られて動揺してしまう。

でも、確かに慧の言う通り、前より表情が引き締まった感じがする。

「前よりいい顔になってるよ、みんな」

知「伊野ちゃんがいないからかなあ」

知念くんが言った。

慧は「ほぇ...？俺...？」と首を傾げる。

八「伊野ちゃんがいなくなって焦ってんだよみんな。これまで以上に個々がしっかりしないとって」

伊「そんな...俺一人いなくなったくらいで...っ」

薮「それくらいなんでもない。...ように見せるのに必死笑」

薮くんが言うと、みんな頷きながら笑った。

岡「Hey! Say! JUMPにとって、伊野尾慧っていう存在はなくてはならないものなんだよ」

髙「だから、早く、戻ってこいよ...」

山「...こんなこと言うなんて情けないけどさ」

伊「みんな...っ」

慧を見ると、頬に一筋の涙が流れた。

私が指で拭うと、焦ったようにごしごしと顔をこする。

伊「俺...頑張る...っ」

治療法がなくて。

前例は致死率100%で。

もう慧に歌って踊れる力は残っていない。

どれだけ頑張ったって戻れる見込みはない。

でも、そういう問題じゃないって。

伊「やっぱり俺...っHey! Say! JUMPに戻りたい...っ」

その気持ちだけで、きっと十分なんだ。