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先生がいなくなってから、慧が口を開いた。
伊「ごめんね...また迷惑かけた...」
いつも以上にか細い声で、顔色も悪くて、本当に消えてしまいそうで。
「全然迷惑じゃないよ...。何があったの？」
伊「夜中にね...苦しくなっちゃって...ナースコール...押す余裕もなくて...っ気づいたら...ベッドから落ちてた...っ」
ごめん...とまた謝った慧の頭を撫でる。
「謝らないの...。苦しかったね。そばにいられなくてごめんね...」
すると、慧は頭を撫でる私の手を握って、頬に当てた。
すりすりと気持ちよさそうにこすりつける。
伊「Aこそ謝らないで...来てくれて...ありがとう...っ」
慧は私の手を持ったまま目を閉じて、寝息を立て始めた。
今日はいっぱいいっぱい寝てね。私、ここにいるからね。
心の中で話しかけながら、私はもう片方の手で頭を撫で続けた。
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作者名：志乃 | 作成日時：2021年4月27日 10時
