ふたり。新生活8【in×ym】

ym ページ1

しばらくそうしていると、春樹がどこかへ行って、誰かを連れて戻ってきた。





『涼介？』





慧の声だ...。


春樹泣いてる、俺のせいで...っ。





慧に怒られるかもと思うとやっぱりごめんなさいしか出てこない。






それに、全部話したら春樹が...。






『おいで、涼介。涼介は何も悪くないよ。大丈夫だよ』





優しい声が耳に入って、ふわっと体が包み込まれた。



その瞬間、あの二人に襲われた恐怖が蘇ってきて。




慧なのに...慧は怖くないのに...！







「さわっ...ないで...！！」





慧を突き飛ばしてしまった。



あぁ、またやっちゃった...。




「ごめんなさ...っ」



『もう謝らないで？大丈夫だから』





慧が優しく微笑む。





気づくと、自分から突き飛ばしたはずのその胸に飛び込んで、わんわんと泣いていた。








『何があったのか、言える？』



少し落ち着いてから聞かれた。




言いたい。...でも。






「春樹の...っ個人情報、バラすって...っ」



『俺がそんなことさせない。絶対』





言っても、いいのかな...。






「あのね...っ」



慧に抱きしめられて、頭を撫でられながら、俺は全部を話すことにした。

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