ふたり。-Another Story- 2

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『...ただいま』




「おかえり...」








...大ちゃんまだいてもらえばよかった！！




気まずい！何話せばいいんだ...！？






「あの...さ」







頭の整理がついてないのに、勝手に口が動いてしまう。







『...何？』




「えっと...その...」






俺が言葉を選んでいると、涼介は腕を組んでため息をついた。







『まずさ、何でイライラしてたのか教えてくれる？』




「あぁ...」







そもそもこれは俺がイライラしてしまってたから起こったこと。





俺は共演者に言われたことを涼介に説明した。








『そっか...言ってくれればよかったのに』




「涼介体調悪そうだったし、言える雰囲気でもなかったから」





『イライラされる方が俺はやだよ？』






ド正論を突きつけられて返す言葉がない。




『俺も、体調悪いからって家事とか全部任せてごめん』




「いやいや、それは悪くないだろ。感染症なんだし」






慌てて言うと、『それは分かってんだね』と笑われた。







「...ほんと、ごめん」




『ううん。俺も出てったりしてごめん』






「これからは何かあったら涼介に言う。イライラしても八つ当たりしない。約束する」








そう言うと、涼介はにっこり嬉しそうに笑った。




この笑顔守るって何年も前に決めたのに。




泣かせてばっかでどうすんだ、俺。






「幸せにするって決めてるから。もう1回チャンスください」





『...うん。慧、大好きだよ』





「俺も」







よかった。本当によかった...。





この後、二人で春樹の寝顔を覗き込んだ。






もうこんなこと、絶対繰り返さない。







二人とも全力で幸せにするからな。









イライラのお話 終

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