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それはまっこと、突然の事だった。
道に道具を広げながら刀のより詳しい状態を、屋台の明かりを頼りに見ていたAは肩を跳ね上げる。そしていきなり立ち上がった炭治郎を見る。
「ど」
どうしたの、と聞くはずだった彼女の口は、しかし、聞けずに終わった。
肩で荒く息をつき始めた炭治郎が、己の刀をひったくり、いきなり駆けだしたからである。「ちょっと！ まだ終わってないんだけど！」という声は炭治郎の背をおって、人込みの中に消えた。
「おいおいおいおいおい」
声のした方を見てみれば、屋台の店主と、その足元の割れて中身がこぼれたどんぶりがAの目に入る。店主は汚れるにも関わらず、地面に足をついている。
「あの……？」
どうかしたんでしょうか、と聞けば、怒鳴り返された。
「どうしたんでしょうかぁ！！？ これを見りゃあわっかんだろ！！」
店主はバッと割れたどんぶりを指さす。
「俺が丹精込めて作ったうどんを！ あんま喰わずに！ 捨てられたんだぞ！！？ 喰わずに！！」
正直、はあ。そうすか、位の感想しか出てこないAである。
そんなAに、店主は怒りの矛先を向ける。「大体おめぇさんもおめぇさんだ！」
「俺のうどんを食わずに！！ なんか、そのォ、変な道具を出しやがって！！ まずは黙って喰えってんだ！！」
そう言いながら店主はAを問答無用で木の長椅子に座らせ、並々とうどんが入ったどんぶりと、割りばしをAの手に握らせる。
「金じゃァねぇ！！ お前が俺のうどんを食わねえって心づもりが許せねぇんだ！ 良いか！！？ わかったな？ じゃあ食え！！」
鬼殺隊の最高位、柱にもきっと勝る動きだったもので、Aは間抜けにもポカンとしてしまうが、直ぐに我に返り、手元のホカホカとした美味そうなうどんを見る。
肉のあぶらが屋台の照明で金色に輝き、のっている卵は柔らかそう。更に肝心な麺は白く、こしがあり、ツルツルとしている。
こんなにも美味しいうどんは他にないだろう、とAが言えば、 店主は満足そうに頷いた。
「そっちの変な竹を咥えた妹も、目が覚めたら食わせてやる……」
そう聞いたのは間違いない。
続く
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(*´ω｀*)＜消しゴムクイーンＰＣアカ(プロフ) - かかすさん» コメントをしてくださって、ありがとうございます！ 面白いと言ってくれて嬉しい限りです。応援にこたえられるように頑張りますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました！ (2020年3月4日 14時) (
レス) id: b53efceb36 (このIDを非表示/違反報告)
かかす(プロフ) - とっても面白いです、応援してます！ (2020年3月3日 23時) (レス) id: cb1c312403 (このIDを非表示/違反報告)
(*´ω｀*)(プロフ) - Decemberさん» コメントだけでなく、ほめちぎってくださるとは！ ありがとうございます。これからも頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。読んでくださってありがとうございました。返事を書くのが遅くなって申し訳ありません。 (2020年3月1日 19時) (レス) id: b53efceb36 (このIDを非表示/違反報告)
December(プロフ) - とても面白いです！心の動きも、時代風景も、知識あってこそ書けるものだァ！素敵だなァ！と思いました。こんな素敵な作品に出会えて嬉しい限りです。(;_;) (2020年2月13日 23時) (レス) id: 8a83f8152c (このIDを非表示/違反報告)
消しゴムクイーン(プロフ) - 原ひーさん» 失意しました。ご指摘ありがとうございます。 (2020年2月1日 9時) (レス) id: 737d873cb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：(*´ω｀*) x他1人 | 作成日時：2019年11月3日 17時
