96話 ページ4
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【Aside】
練習中、見学する俺の隣に敦君が座ってる。
貴「え？なんで練習しないの？？」
紫「Aちんせっかく来てくれたのに練習しなきゃだめ？」
貴「後ろ見てみなよ」
竹刀を片手にふらりとこちらへ近づく荒木監督。
びくりと肩を揺らして足早に練習に混じっていった。
貴「敦君って普段からあんな感じなんです？」
荒「いや、真面目に練習はしてるさ。知っているとは思うが、相当な負けず嫌いだからね」
体育館の隅に使って放られたタオルを横目に「見学させてもらうお礼にマネージャーしますね」と申し出る。
荒木監督は「悪いね」って片目を閉じながら両手を合わせて笑った。
………可愛らしさと男らしさが同居してる。
タオルを畳みつつ、スクイズボトルの中身を確認。
だいぶ少ないことに気がつき、籠を持って片っ端から突っ込んでから体育館横の水道へと向かった。
貴「うっわあ、水冷たい」
手を洗った水の冷たさにぶるりと身体を震わせて、地道にドリンクを作っていく。
ちょうど全て作り終わった頃に笛の音が体育館から聞こえた。休憩時間かな。
ドリンクの籠を持って体育館の隅に置くと、わらわらと部員たちが集まってきた。
その中のひとつを手に敦君を探す。
ドリンクを飲むよりも早くお菓子を食べ始める姿に笑いつつ、それを手渡した。
貴「あの人が新戦力の氷室さん？色気やばいね」
紫「Aちんもたまに色気振りまいてるよ」
貴「えっ だから涼ちゃんが寄ってくるのかな」
合宿のお風呂上がりにはよく涼ちゃんが俺に寄ってきてきた。
…まるで尻尾を振る犬のように。
「待て」と言うと途端に大人しくなってたけど。本当に従順な犬だよね、いい子。
それを征ちゃんは楽しそうに眺めてたよ。
貴「日本語で大丈夫ですか？」
氷「ああ。君が敦がよく話してるAちん？」
貴「Aでお願いします。というか敦君、俺のことなんて話してるの？」
きょとんとした敦君はお菓子を食べている手を止めて、手についたカスを舐めとり。
紫「可愛くて食べちゃいたいって」
貴「オーケー、しばらく俺に近づかないで」
目が本気だった。怖い。
紫「冗談に決まってるじゃん」
貴「だって敦君なんでも食べちゃいそうじゃん。雑食なの？」
のしっと俺にもたれかかる敦君。
それは夏と比べると随分と重くて。
貴「ウェイト、頑張ってるんだね」
そう言うと敦君はふいっと俺から顔を背けた。
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千椛(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！！お気に入りです😊 (2022年2月22日 13時) (
レス) @page5 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 氷食症さん» ありがとうございます（ ; ; ）かなーり更新頻度低めですが頑張りますのでよろしくお願いします！！！ (2020年7月11日 18時) (レス) id: 321388bd3c (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - 続編おめでとうございます！とても面白くて更新を楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2020年7月9日 0時) (レス) id: cf84e89374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやの | 作成日時：2020年6月27日 18時
