54話 ページ8
.
【Aside】
変わってなんかいない。
俺はずっと前から、変わってなどいない。
貴「変わったのは俺じゃないよ、テツヤ。
………俺を見るお前の目が変わったんだ」
テツヤは大きく目を見開く。
「そんなことない」と言いたげの瞳に、俺は反論の暇を与えず言葉を紡いだ。
貴「変わらないよ、ずっと。俺が変わるなんてこと絶対にない。あっちゃいけない」
黒「どうして君はそうやって…！」
貴「だって征十郎が俺にそう望んだんだから」
今にも壊れてしまいそうだった征十郎。
＿＿＿＿壊れてしまった、俺の主は。
周りの急激な変化について行けず。
『どうして、あいつらはこんなにも…』
自分だけが取り残されるのではないかと不安を抱えながら。
『なぜこんなにも変わった。どこから違った』
今にも泣きそうな顔で、消えそうな声で。
『もう、元に戻れないのだとしたら』
赤かった、ふたつの目で。
『もし
＿＿＿＿消えてしまったとしても』
ゆらゆらと、揺らぎながら俺を見た。
『A、お前は。
………
『＿＿＿＿それが征十郎の望みなら』
あの選択が合っていたかはわからない。
みんなを止めればよかったのかもしれない。
征十郎に手を差し伸べればよかったのかもしれない。
………今更、どうにもならないが。
それでも、後悔がないと言ったら嘘になるのだ。
あそこまで取り乱した征十郎は初めて見た。
いつでも強く、気高く。
どこまでも、孤高に君臨した俺の主。
＿＿＿＿孤独で独りよがりな、俺の主。
壊れてしまう前に、俺に何ができただろう。
何をしてやればよかっただろう。
貴「俺はこれからも征十郎の隣にいる」
俺を暗闇から救ってくれた、あの日から。
それだけはずっと変わらない。
貴「お前が征十郎を倒すと言うのなら。俺はその前に必ず立ち塞がるよ、テツヤ」
狂っていると言われても構わない。
異常なまでに心酔に。
この忠誠だけは譲れないから。
？「黒子君！練習始まるわよ！早くしなさい！！」
体育館から顔を出した彼女。
俺は
貴「すみませーん！俺が引き留めちゃって！
黒ちゃんのチームメイトでした、紺谷Aです！」
笑顔と共に声を上げた。
【Aside end】
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 494人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやの(プロフ) - RiRさん» わああ！更新再開して初めてのコメントいただけてとても嬉しいです（；＿；）ありがとうございます！のんびり更新で申し訳ないですが、楽しんでいただけるように頑張ります（＾Ｏ＾） (2019年10月4日 13時) (
レス) id: 194bfbd275 (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とても面白いお話をありがとうございますm(_ _)m続きがとても気になりますのでぜひ私に続きをお恵みください！更新をお待ちしております (2019年10月1日 18時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます！２年越しにはなりましたが、のんびりと更新再開していきます（＾Ｏ＾） (2019年6月5日 18時) (レス) id: 194bfbd275 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - とっても面白いです！更新待ってます！ (2017年3月19日 2時) (レス) id: 7c1d45a73f (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 誄さん» わああっ そう言ってもらえると本当に嬉しいです（；＿；）ノロノロ更新ですが続けさせてもらいます！ありがとうございます！ (2016年12月19日 11時) (レス) id: 2ac38d71af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやの | 作成日時：2016年5月12日 21時
