83話 ページ37
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【赤司side】
赤「………機嫌がいいな、A」
貴「え？そう？」
敦たちとの食事後にホテルへ戻り、シャワーも済ませてベッドの上でくつろぐ。
声をかけると、鼻唄を歌っていたAはそれを中断して僕の方へと顔を向けた。
その顔は完全に緩んでおり、それにつられてか僕の頬も自然と緩む。
赤「随分と楽しかったようだね」
貴「なにその他人事みたいな言い方。征ちゃんだって楽しかったでしょ？」
赤「ああ、楽しかったよ」
…和食がよかったという文句は置いておいて。
卒業以来、あのように純粋に食事をするためだけに集まるのは初めてだったのかもしれない。
中学の頃は部活帰りに色々な所に寄っていたのに。
「楽しかった」と口にしたことで、じんわりとその言葉が自分の中に染み込んでいく。
………ああ、本当に楽しかったんだろう。
再会するのは冬だと決めていたのに、その前に会えてよかったと思ってしまうほどに。
大きな大会も終わり、ライバル校としての敵意もなかったことも大きかったのかもしれないが。
僕だけだったら集まろうと声を掛けたりもしなかっただろう。
貴「真太君と黒ちゃんにも会いたかったね」
赤「お前は偵察に行って会ったばかりだろう」
貴「そうだけど！みんなで集まりたかったの！」
ぶぅ、と頬を膨らますAを見て小さく微笑む。
頭を撫でてやれば、その顔は一気に緩んだ。
赤「………だらしない顔だな」
貴「………征ちゃんも割と顔緩んでるからね」
そう言って「うりゃ〜」僕の頭を撫で始める。
そのなんとも変な掛け声に噴き出しそうになったのを堪えつつ、Aのことを見つめる。
赤「どうしたんだい？」
貴「たまには俺が撫でてあげようと思って」
ほのぼのとした空気が流れる。
こんなにも無防備な姿を見せられるのは、きっとこれからもAの前でだけだろう。
いつだって僕を肯定してくれる。
それでも間違っていると思ったときはちゃんと反対してくれる。
どんなときだって、僕から離れないでいてくれる。
唯一、僕を対等な人間として認めてくれる存在。
赤「………僕も、Aと友達になれてよかった」
Aがみんなの前で言った言葉。
なんだかくすぐったくて、あのときは「突然気持ち悪い」と切り捨ててしまったが。
貴「あったりめぇよ！俺たち親友でしょーが！！」
………最近のAはキャラがブレブレだな。
【赤司side end】
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あやの(プロフ) - RiRさん» わああ！更新再開して初めてのコメントいただけてとても嬉しいです（；＿；）ありがとうございます！のんびり更新で申し訳ないですが、楽しんでいただけるように頑張ります（＾Ｏ＾） (2019年10月4日 13時) (
レス) id: 194bfbd275 (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とても面白いお話をありがとうございますm(_ _)m続きがとても気になりますのでぜひ私に続きをお恵みください！更新をお待ちしております (2019年10月1日 18時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます！２年越しにはなりましたが、のんびりと更新再開していきます（＾Ｏ＾） (2019年6月5日 18時) (レス) id: 194bfbd275 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - とっても面白いです！更新待ってます！ (2017年3月19日 2時) (レス) id: 7c1d45a73f (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 誄さん» わああっ そう言ってもらえると本当に嬉しいです（；＿；）ノロノロ更新ですが続けさせてもらいます！ありがとうございます！ (2016年12月19日 11時) (レス) id: 2ac38d71af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやの | 作成日時：2016年5月12日 21時
