59話 ページ13
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【Aside】
リコさんは「それでもいいのか」と尋ねてきた。
…自分の気持ちを隠し続けて、それで幸せなのかと。
「征ちゃんのために」と言う俺を見て、苦しそうな顔をするリコさん。
貴「(……ああ、なんだか今日はうまくいかない)」
最近ずっと頭を使っていたせいか、いつもの調子が出ない。
火「A！1on1しようぜ！」
そんな時に聞こえてきた火神君の声。
俺はゆっくりと立ち上がった。
貴「いいけど…今ちょっと手加減できそうにないんだよね」
火「あ゛？手加減だぁ？…舐めてんのか、お前」
貴「ふふっ わからないのかなあ？………舐めてるんだよ、火神君」
あー…ごめんね、征ちゃん。
後で報告するときにお説教は受けるからさ。
…今だけは許して、よね？
貴「…ちょっと俺の憂さ晴らしに付き合ってよ」
火「…望むところだ！」
その言葉を合図に俺へと飛んでくるボール。
片手で受け止め、火神君へと目線を向けると、不敵に笑む彼と目が合った。
ぞわり、身体が震える。
火神君と闘えることを悦んでいるかのように。
＿＿＿所謂、武者震いというやつで。
貴「あははっ…楽しくなってきたなあ…！」
火「それはこっちのセリフだぜ…！」
対峙する俺と火神君。
先攻は俺だ。肘を張り、体の横にボールを構える。
火神君も腰を落とし、手を広げてディフェンスの構えを取った。
貴「(…ふうん。)」
小手調べとして、重心を微かに傾ける。
それにピクリ、反応する身体。
貴「(…ちょっと反応、よすぎるんじゃない？)」
本能に頼り切った荒々しいプレイ、というのが短時間ながらも彼のバスケを見た率直な感想だ。
反応が良すぎる…長所だろうが、それが逆に短所になるということもあるわけで。
裏を返せばフェイクに簡単に引っかかる、ということであり。
それでも身体能力が常人のそれを上回っていたからカバーできたのだろう。
………なら、さ。
貴「追いつけないスピードだったら…どう？」
そう言ってにやり、笑うと同時に前へと突き出すドリブル、踏み出す足。
彼が怪我した右足＿＿＿そっちのサイドをわざと攻める。
まだ完治はしていないのだろう、反応が遅れた。
更に足に力を込めると、加速する速度、後ろへと流れ去る景色。
真横を抜き去る瞬間、歪められた悔しそうな顔に、思わず頬が緩んだ。
貴「(…ああ、本当に)」
＿＿＿性格悪いなあ、俺。
【Aside end】
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あやの(プロフ) - RiRさん» わああ！更新再開して初めてのコメントいただけてとても嬉しいです（；＿；）ありがとうございます！のんびり更新で申し訳ないですが、楽しんでいただけるように頑張ります（＾Ｏ＾） (2019年10月4日 13時) (
レス) id: 194bfbd275 (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とても面白いお話をありがとうございますm(_ _)m続きがとても気になりますのでぜひ私に続きをお恵みください！更新をお待ちしております (2019年10月1日 18時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます！２年越しにはなりましたが、のんびりと更新再開していきます（＾Ｏ＾） (2019年6月5日 18時) (レス) id: 194bfbd275 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - とっても面白いです！更新待ってます！ (2017年3月19日 2時) (レス) id: 7c1d45a73f (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 誄さん» わああっ そう言ってもらえると本当に嬉しいです（；＿；）ノロノロ更新ですが続けさせてもらいます！ありがとうございます！ (2016年12月19日 11時) (レス) id: 2ac38d71af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやの | 作成日時：2016年5月12日 21時
