【黒バス】孤高の君に忠誠を【洛山】

12話 ページ14

.



今すぐにでも飛び出して戦いたいところだけど、それだけはダメだ。



貴「征ちゃんに許可されてないからなあ…」



自分から練習に参加して、手の内を見せるようなことはダメって言われてる。

偵察先の監督に偵察をする条件として練習参加を頼まれたりしたら別だけど。

ほら、等価交換って言葉あるでしょ？

俺がその学校の情報を取る代わりに、俺の情報を取られるってわけ。

情報取られるってわかってるから、流石に全力を出すわけないけど。



それでも負けるつもりはないよ。

練習とはいえ、負けたら征ちゃんに怒られちゃうし。





俺は必要な情報だけ書き込み、目を閉じて息を吐く。

……………うん、"すべて覚えた"。

これ以上の情報は不要だ。



貴「次は……海常でいいかな。東京には桐皇と秀徳と誠凛が固まってるから最後に行きたいし、誠凛の大型ルーキーはじっくり見たいからね」



ノートをバッグにしまい、席を立つ。

敦君の視線がこっちに向いたので、微笑んで手を振ると振り返してくれた。

………余所見するなと監督さんに竹刀で叩かれてたけど。





陽泉を出て、新幹線に乗り込む。

神奈川に着く頃には夜になってるだろうし…ホテル探すのも面倒だから、涼ちゃんに泊めてもらおうかな。

あれっ 確か涼ちゃんって海常の寮に入ってたよね？

………監督さんに話せばなんとか泊めてもらえるかな。代わりに俺の練習参加を取り付けてもいいし。

それより寝よう。強豪校は部員数も多いから酷く頭を使う。

連日続いて偵察することになるから、少しでも頭を休めたい。



俺は涼ちゃんにL⚫NEをして眠りについた。

.

.

.

貴「ふわぁあ…」



ぐっすり寝れた。頭もスッキリしてる。

駅から出ると、空は暗くなっていた。

そろそろ……



「Aっち〜！」



こちらへ向かって手を振る黄色の頭。

【キセキの世代】のフォワードであった黄瀬涼太だ。

モデルをやっていて、現に周りの女の子から歓声が飛んでいる。



貴「涼ちゃん！」



涼ちゃんに近寄っていくとむぎゅっと抱きしめられる。

苦しいから離せという意味を込めて、ぽんと背中を叩くと離してくれた。



黄「久しぶり、Aっち！俺に会いに来てくれて嬉しいっス！」

貴「久しぶり！俺は別に涼ちゃんに会いに来たわけじゃないよ？目的は海常の偵察だからね」

黄「俺もそろそろ会いたいって思ってたところっスよ！！」

貴「話聞けよ」



相変わらず会話が成り立たないね←



.

13話→←11話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す