02 女慣れ ページ3
周りを見渡し話せそうな人間を探す。
みんな一人じゃないし、一人でもイヤホンや歩きスマホをしている。
出来れば男がいい、女は断る可能性が高いから。
通りを見ていると学生服を着た一人の少年を見つけた。
一人きり、ぼっちだろう。おそらくは。
まァあんまりモテそうな顔ではないし、視線の先の店は明らかにオタク向けに見えるからだ。
そして彼は、絶対に女に慣れてないはず。
「あのー、すいませんっ！」
私は小走りで近づき営業スマイルで話しかける。
ポートマフィアで習ったことの一つ、潜入術。
私が習いたいって尾崎さんに言った。
他人に近づきやすくなるから。
警戒を薄くさせるから。
勿論、人を殺しやすくするために。
「此処から一番近い電気店って何処ですかね・・・？」
上目遣いはしない、接触はしない。
其れをしたらただのビッチ。
私は男好きじゃない、女を殺すより男を殺すほうが楽しいけれど。
緑髪のオタク少年(仮定)は顔を真っ赤にし始めた。
私は喋っただけなのにここまで赤くなるなんてどれだけ初なんだろう。
もし私が今から路地裏に誘導したら、肉を裂いて骨を断って命を消すことができるのでは？という考えが私の頭に浮かぶ。
「ぼ、僕っ！？え、いや、あの、スマホで調べたほうがわかりやすいんじゃ」
そう言って慌てる少年に私はペラペラと嘘をつく。
「あはは、壊れちゃって・・・」
「え！？・・・す、すいまいたっ！？」
頭を下げる少年君は気弱なんだろうか？気弱なんだろう。
苦笑いを浮かべて私は少年くんを見る。
なんだか筋肉質にしようとしているみたいな身体つき。
完成形の中原君を私は見ているからまだまだそれには程遠い。
筋肉痛で頭を下げたとき痛かったんだろう。
何かの選手かもしれない。
(何で謝るかなー、煩いなァ。死ぬ前に泣き喚きそうで嫌だなァ。)
「ま、真っ直ぐ行って、左に曲がったら玉田電気店があります・・・」
少年がおどおどしながら教えてくれたので満面の笑みで私は言う。
「ありがとう。助かった！」
演技だからやるけど現実だったら絶対にしない、作り笑いほど面倒なものはないからだ。
笑顔の方が警戒心は薄くなる、よほど変な笑顔じゃない限り。
そして私は電気店に向かって歩く。
少年君もオタク向けの店に向かって歩く。
そして私は手の中の感触を確かめながら呟いた。
「ポケットにお財布だなんて、すってくれって言ってるようなものじゃん。」
03 ポートマフィア→←01 此処で私は生きてゐたはずなのだ
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アヤ(プロフ) - ロンさん» マジですか！？書き直します！ (2018年5月5日 15時) (
レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あれ…相澤先生ってミッドナイトに敬語使ってたはずじゃ… (2018年5月5日 15時) (レス) id: 96ff2658c5 (このIDを非表示/違反報告)
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