【太宰治】愛迷アンサー【文豪ストレイドッグス】 (ページ16)

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◯月◯◯日

今日から私は日記を書くことにした。何の為に日記を書くかというと其れは小説を書くときの練習のためだ。
私は作家になりたい。
作家になって様々な世界を自分で作りたい。
だから私は其のために今日から日記を書く。

・・・当たっていた。本当に小説を書く練習のためだとは。
案外、普通の日記じゃないか。

ペラペラと私は手を休めることなくめくっていく。何枚かめくった後、私は手を止めた。

◯月◯◯日

今日は私は中学二年生になった。此れは私が学校に行くために横断歩道を渡った時のことだ。
私には一つ下の弟がいる。名は◯◯と言った。
◯◯と私は中学に登校していた。
自転車をこぎ話しながら。
私の父も其の交差点を通り仕事に行く。
偶然、其の日は父の乗る車が私の通る横断歩道の信号で止まっていた。
私達は仕事に向かう父に手を振りながら歩いた。
信号は、確かに青だったのだ。
突如、後ろからクラクションが響いた。
次の瞬間、弟が消えた。
父の乗る車は後ろの車に押されて玉突きのように交差点に飛び出し車にまた衝突した。
グチャッという音がした。
弟が轢かれた、しかも父の乗る車に。
原因は父の乗る車に猛スピードでぶつかってきた後ろのトラックだった。
悲鳴があがる。
私はどちらに駆け寄ればいいかわからずただ、突っ立っていた。

弟の名前は塗りつぶされていて読めなかった。彼女の人生の途中の話だった。
私に話してくれなかった、昔の話。
けれど、日記をわざわざ此処に置いたのは誰かに見て欲しかったからかもしれない。
だから私は見るのをやめず次のページをめくった。