41 透水陶酔 ページ42
私は私の家が。大好きで、大嫌いだった。
それをようやく自覚して、息を吐いた。何年かかったのだろう、何年目を背け続けたのだろう。
ーーー後悔はしない。
してしまえば自分の存在意義があやふやになるから。
ーーーヒーローにはなれない。
そう思わなければ自分の選択が誤りだったと気づかされるから。
私は、目を背けたから。背けずに生きている人間が羨ましくて、妬ましくて。ずっとずっと嫉妬していて。
ずっとずっと、妬ましくて。
「平さんがどんな人生を歩んだのか僕には想像もつかないし、平さんにとって僕は恵まれてるんだと思う。
そんな僕が平さんに憎まれても嫌われても逆恨みはしない、けど！
君は僕と違って選択肢があるじゃないか！なりたくてもなれなかった僕と違って！
僕は、」
あの河原で。私が彼を殺しかけたとき。私は彼の傷をえぐったのだろう。恐らくは、私の立てたオールマイトさんと緑谷出久の個性は同じであるという仮説が正しかったから。
彼は無個性だったから、個性持ちに見える私が選択使があるのに八つ当たりをしてしまう私が。
嫌だったんだろうな、とおもう。
でも違う、そうじゃない。逆なのだ、こちらでは個性を持っていることが当たり前だけどあちらでは其れは異常なことだから。
魔女や悪魔みたいな、異常な者だから。
個性に憧れた緑谷と、異能を疎んだ私は。越えられない常識という壁がある。
私が、私が異能を手にして。初めてそれを使って。祖母が喜んで、祖母が囁いて。
「それをお父さんとお母さんに使いましょう。大丈夫、これであなたは自由なの！あなたはもう大丈夫、大丈夫よ。」
そんなことは聞きたくなかった。
咄嗟に手を振りほどいて台所へ走り、包丁を手に取った。息を呑み、逃げようとした祖母が躓いて転ける。私はその背中に包丁を突き立てた。
ざくり。と言う音と。温かい血液を飛び散らせて。何度も何度も何度も繰り返して。
褒められると思っていた。魔女を殺したのだ、お父さんとお母さんを殺そうとした魔女を。火葬がしたいから仕方を聞いてみようなんて。のんきに考えていた私の考えは打ち破られることになる。
「化け物めっ！！！誰がなんのためにお前をお前をここまで育ててきたとおもってるっ！」
「あんたみたいな化け物なんてっ！」
お前は娘じゃないと言われた。忘れていた苦い苦い思い出だった。
離れてほしくないいなくなってほしくない失望してほしくない。その一心で、私は二人を殺した。
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アヤ(プロフ) - ペンギン太郎さん» ありがとうございます！平ちゃん可愛い、久々に言われました…！無理せずしっかり頑張ります！ (2018年12月27日 18時) (
レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン太郎 - すごい！この作品！とても好き！すんごく面白いです！！中也さんがかっこよくって平ちゃんが可愛くて…もう…もう！応援してます！無理しないで頑張ってください！ (2018年12月27日 17時) (レス) id: a451b06430 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - ヒバリさん» ありがとうございます！かっこいいと言っていただけると安心します…かっこよくかけてるか不安になるんですよねー。これからも更新頑張ります！ (2018年12月23日 20時) (レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
ヒバリ - ちゅーやさんちょっとイケメンすぎやしません？アヤさんのちゅーやさんかっこいいです！これからも更新楽しみにしてまふ。 (2018年12月23日 14時) (レス) id: 60878f7a2d (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 本の虫さん» ありがとうございます！完全な個人のプライベートで番外編やってすいません、これからも頑張ります！ (2018年11月6日 0時) (レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
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