08 ショートとフラット ページ9
「あ、轟くん。」
移動直前の轟くんに私は声をかけた。朝は気まずい何て思っていたけれど意識しなければ別に問題ない。
忘れる忘れる、大事なことだ。
「ちょっと質問があるんだけどおーけェ？」
「あまり長い質問には答えられねえぞ。」
わたしが聞けばなんだかんだ答えてくれる轟くんは俗に言う好い人の分類に入るのだろう。
私が同じことをされたら無視する自信しかない。
「うん、ありがとう。
オールマイトさんってどんな人？」
すると轟くんははとが豆鉄砲を食らったような顔をして
「テレビで散々特集組まれ続けてるだろ？」
と言われた。しかそ、私はそんなものを見たことはない。
けれど見たことはないと言えば流石に可笑しいだろうから、私は適当に理由をつける。
「うーん、何て言うかどんな性格？っていうかさァ。生徒として接してきた轟くんの客観的な意見が聞きたくて。」
客観的、と轟くんは復唱する。そう客観的、第三者からの意見じゃないと意味がない。
「優しい人？」
「ああ。」
「強い人？」
「ああ。」
「誇りをもってる人？」
「多分な。」
「人を信じる人？」
「・・・どういう意味だ？」
人を信じる人か、という質問に轟くんは首をかしげた。説明が足りなかったかな、と思い私は付け加える。
「例えば、家族だとかが犯罪行為は絶対にしないーとか、仲間は裏切らないーとか信じちゃう人かなァ？」
意味が伝わったのか、轟くんは即答した。
「そうだろ。仲間も信じられないなら、ヒーローなんてやっていけないだろうしな。」
じゃあな、と言って轟くんは足早に去っていく。
相変わらず無神経で鈍感でそれでいて神経を逆撫でしてくる。
「・・・仲間も信じられないなら、ねェ。」
一瞬私に言ったのかと思った、と私は一人呟く。
先程の会話のなかで作戦はもう組み立てた。最初はスタートとゴールしか見えていなかったけれど今は過程も完璧に考えられている。
上手くいけば、殺れる。
スクリーンに映るみんなの顔は真剣なのに、映画を見ているように感じてしまう。
皆にはやる気があって、誰かを助けたくて、此処にいる。
私にはそれがない、私は思わない。
何時だって私は奪う側でいたい。何時だって私は強い側でいたい。
悪役ほど強いものはないと思う、悪人だからという言い訳はとても素晴らしいものだから。
だから私はそれを手放さず、悪人らしく実技試験を終わらせようと心に決めた。
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アヤ(プロフ) - ペンギン太郎さん» ありがとうございます！平ちゃん可愛い、久々に言われました…！無理せずしっかり頑張ります！ (2018年12月27日 18時) (
レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン太郎 - すごい！この作品！とても好き！すんごく面白いです！！中也さんがかっこよくって平ちゃんが可愛くて…もう…もう！応援してます！無理しないで頑張ってください！ (2018年12月27日 17時) (レス) id: a451b06430 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - ヒバリさん» ありがとうございます！かっこいいと言っていただけると安心します…かっこよくかけてるか不安になるんですよねー。これからも更新頑張ります！ (2018年12月23日 20時) (レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
ヒバリ - ちゅーやさんちょっとイケメンすぎやしません？アヤさんのちゅーやさんかっこいいです！これからも更新楽しみにしてまふ。 (2018年12月23日 14時) (レス) id: 60878f7a2d (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 本の虫さん» ありがとうございます！完全な個人のプライベートで番外編やってすいません、これからも頑張ります！ (2018年11月6日 0時) (レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
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