07 微睡みの中で b ページ8
其処は闇に包まれていた。
最低限の灯りがぼんやりと沢山の部屋を照らし、何処か不気味な雰囲気を漂わせている。
鉄格子で囲まれた部屋が幾重にもならび、牢獄や監獄という言葉がまさしく似合う場所だった。
その一室に、男達がいた。
全員が黒服にサングラスであり、違いといえば髪型や顔の大きさ、骨格と言った部分のみの統率の取れた集団だった。
集団は部屋の一つに集まっていた。中央には一台の椅子があり、その上に同じような黒服を着た男が縛り付けられている。
所々殴られたような跡があり、地面には赤い雫が点々とついていた。
すると、カツカツと足音がして一人の女性が入ってくる。
男達は全員頭を下げ、女性も軽く会釈した。
「なるほど・・・今回の
「紅葉様、伝言どおり殴るだけにしておきました。」
「よし。中也と新入りとやらはまだかえ？」
「どうやら遅れているようです。」
紅葉と呼ばれた女性はとても美しかった。
然し、女性はその端麗な顔を歪ませながらつぶやく。
「全く・・・鴎外殿も突然拷問の練習など頼むなんぞ、その童は期待されていると取ってよいのか。」
ふう、と女性が溜息をつく。
すると走っているように早い足音が2つ聞こえて、鉄格子の前を少女が通り過ぎた。
「おい手前ェ過ぎてんぞ！」
「えェ！？中原君が急げって言ったくせに」
「うるせえ黙ってろ！すいません姐さん、遅れました。」
少年と、少し遅れて少女が部屋の中へ入ってきた。
少年は女性に頭を下げ、それを習うようにして少女も頭を下げる。
「初めまして、Aと言います！最近ポートマフィアに入りました。まだまだ下っ端ではありますがよろしくお願いします。」
快活な声とニコリとした笑顔はおよそポートマフィアらしいものではなく、女性は眉をひそめる。
「・・・鴎外殿が、幼子にこのようなことを教えろというのは珍しい。下がって良いぞ。」
「了解しました。」
黒服の男たちが女性に一礼し部屋から出ていくと、女性は微笑んで少女の頭を撫でた。
「えっと・・・？」
「尾崎紅葉じゃ。よろしくのう、A。」
「はい、尾崎さん！」
「良い返事じゃ。」
女性は少女から手を離し、近くに置いてあった箱を逆さに向ける。するとバラバラと鋏や短刀、燐寸などが出てくる。
「それでは、練習を始めるとしようかのう。」
女性は少女を手招きし、少女は迷いなく進んだ。
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アヤ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます！そろそろ職場体験編に入りますのでご期待ください！ (2018年3月12日 23時) (
レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
椿 - この作品大好きです！いつも楽しみにしています。頑張ってください！ (2018年3月12日 19時) (レス) id: 9b14fd56ac (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - dtabosuさん» ありがとうございます！頑張らせてもらいます！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
dtabosu(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください(´▽｀*) (2018年3月3日 16時) (レス) id: c216431e1a (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 瑞稀さん» ありがとうございます！夢主の性格が気に入っていただけるのは本当にありがたいです。こんなブラックな夢主ですがこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月3日 11時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
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