41 人の革を被った化物 ページ42
「阿呆か手前ェは！千載一遇のチャンスだろ、喉から手が出るほどほしいやつだっているんだぞ！？」
中原くんは走っているのか、雑音混じりに叫んでいる。
けれど私は全く理解できない
「そういうのって樋口さんみたいな異能も何もない、死ぬ可能性が高い人の考えでしょ？私は別に欲しくないし。」
「手前ェどんだけ裏社会好きなんだよ・・・」
「好き嫌いじゃないけど。」
自分が何で裏社会にいたいか。人を殺すのが好きだから？
違う、多分もっと単純な。
「折角素敵な居場所なのに、捨てられるのは嫌だもん。」
見込みなしと捨てられるのは一度でいいのだ。二度目はいらない。
「学生やるくらいならポートマフィアのほうがずっと楽しいからそっちに帰りたい、だからクビは受け取らないし絶対帰る、中原くんの指示は聞かないから。」
すると中原くんはわざとらしい溜息をついていった。
「手前ェのことを気遣った俺が馬鹿だった。」
「慣れないことはしちゃだめだよねェ。」
五月蠅え！と中原くんは叫ぶ。慣れないことはしちゃ駄目っていうのはあってると思うんだけどなァ。
「あゝもう分かった分かった！どうせ拒んでも手前ェは意地でもついてくるんだな！？本当に裏社会に居ていいんだな！？」
「当たり前。だってそっちのほうが幸せだよ。」
半ばヤケクソになっているのか、苛立ち混じりに中原くんは叫んだ。
「クビは取り消すから後で謝罪しろ！」
「はァ！？」
言い返そうと思ったが電話が切れている。彼奴計画犯だ、なんて奴。
電話を返そうと太宰さんを見ると、彼はニコニコと笑っていた。
「何です？」
「いや、切り替えが早いと思ってね。」
太宰さんがニコニコとしているときは大抵ろくでもないので触れないことにした。知らぬが仏だ。
「よかったね、クビは取り消されて。」
「真逆中原くんに人の心があったなんて・・・」
「そうそう、本当に驚いたよ。真逆脳筋に人の心があったなんて。」
太宰さんと中原くんを馬鹿にし合うのも何年ぶりだろうか。
「そういえば太宰さんって何で抜けたんでしたっけ？」
「あれ、知らない？」
「よく覚えてないです。」
なにかあったような・・・と考え込んでいると耳元で囁かれた。
「織田作氏ですよ、織田作氏。」
「あ、思い出した織田さん・・・え？」
バッと振り向くと、見覚えのあるナース服の女が立っている
「初めまして、ヒーロー事務所の者です。」
昔あったことのある女性だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アヤ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます！そろそろ職場体験編に入りますのでご期待ください！ (2018年3月12日 23時) (
レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
椿 - この作品大好きです！いつも楽しみにしています。頑張ってください！ (2018年3月12日 19時) (レス) id: 9b14fd56ac (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - dtabosuさん» ありがとうございます！頑張らせてもらいます！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
dtabosu(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください(´▽｀*) (2018年3月3日 16時) (レス) id: c216431e1a (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 瑞稀さん» ありがとうございます！夢主の性格が気に入っていただけるのは本当にありがたいです。こんなブラックな夢主ですがこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月3日 11時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
