29 烏は叫ぶ ページ30
轟くんはずっと炎を使っていなかった。それは今までの戦いぶりからしてわかる、つまり彼は炎が嫌いなのだ。
でも使った、緑谷出久に対して。
やっぱり異能使おうかな、と私は考える。轟くんだって簡単に意思を翻したわけだし・・・正直、轟くんには素手じゃ勝てない。
でも目的は優勝じゃないからなァと迷う。だって私の目的は注目されて全国放映で色んなところに載って上司の目に止まりそしてクビを撤回させるところにあるのだから。
(・・・うん、駄目だ。異能は使わない方向で行こう。)
危ない危ない、自分に甘くなってしまった。
一度決めたら撤回しちゃ駄目じゃないか私。
「よーし、殺ろ殺ろ。」
今私は控室にいる。緑谷と轟くんの戦いからしばらくたち、他の試合もだんだん終わってきたためだ。
次の相手は八百万に勝った烏くん。顔面も鳥だけど個性も鳥、芥川さんの羅生門に生命が取り憑いたみたいな異能・・・じゃなかった個性を使う。
控室に置いてあったシャープペンシルをくるくる回して短刀のように扱ってみる、うん。鈍ってない。
試合も終わったので、控室から出てスタジアムの中へ入る。
歓声と光とアナウンス、人人人人の顔。もし今この場で異能を使うなら何百人殺せるだろうか。
「平さん、前へ。」
「あ、はーい！」
香山さんに言われてステージに上がる。対戦相手の常闇くんはすでに登ってきていた。
「面と向かって話すのは初めてだな、平。」
「あーうん、名前なんだっけ？」
「常闇踏影だ、よろしく頼む。」
「宜しくー。」
名前覚えてないのね、なんて香山さんのツッコミは気にしない。
試合開始前の五月蝿いアナウンスが騒音として会場に鳴り響く。
「一回戦を圧倒的強さで駆け上がった常闇と抜群の運動神経で突破した平ァ！同じクラス同士の注目の対決だ！！！」
(圧倒的強さねェ・・・)
どんまい八百万、圧倒的に負けたってよ。と笑いながらお辞儀する
「お手柔らかにお願いします。」
「悪いが、できないぞ。」
「えー、酷い。こんなにか弱い女の子なのに！」
それを言った瞬間香山さんがえっ。と言った気がした。気のせいだ、気のせい。
「それじゃあそろそろね・・・始め！！！」
香山さんが腕を振り下ろし開始の合図をしたーーー瞬間
「掴め
烏くんが叫び、それに呼応するように羅生門もどきが動いて私を掴み取ろうとする。
あゝでも矢張り・・・
「芥川さんのほうが早いなァ。」
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アヤ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます！そろそろ職場体験編に入りますのでご期待ください！ (2018年3月12日 23時) (
レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
椿 - この作品大好きです！いつも楽しみにしています。頑張ってください！ (2018年3月12日 19時) (レス) id: 9b14fd56ac (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - dtabosuさん» ありがとうございます！頑張らせてもらいます！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
dtabosu(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください(´▽｀*) (2018年3月3日 16時) (レス) id: c216431e1a (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 瑞稀さん» ありがとうございます！夢主の性格が気に入っていただけるのは本当にありがたいです。こんなブラックな夢主ですがこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月3日 11時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
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